JRAサートゥルナーリア、エピファネイア華麗なる「シーザリオ一族」の迷える良血馬が約2年ぶりに快勝!! 全弟リオンディーズを超える才能が新天地で開花!?
池添謙一騎手と新コンビを結成してジャパンC(G1)に出走を予定しているサートゥルナーリア。4歳世代トップクラスの1頭が、コントレイル、デアリングタクトら今年無敗の3冠に輝いた2頭を迎え撃つことになった。
そのサートゥルナーリアの母は日米オークス馬シーザリオ。同馬の産駒には菊花賞(G1)とジャパンC(G1)を勝ち、種牡馬1年目にデアリングタクトを輩出したエピファネイア、15年の朝日杯FS(G1)を勝ったリオンディーズなど、錚々たるメンバーが揃い、繁殖牝馬としても日本屈指の成功を収めている超名牝だ。
今後も「シーザリオ一族」は日本競馬界を牽引していくと思われる。その中で、G1馬リオンディーズ以上の才能を秘めると言われつつも、これまで結果を残すことができなかったグローブシアター(牡6、栗東・角居勝彦厩舎)。同馬がついに『居場所を見つけた』と話題を呼んでいる。
11月7日、グローブシアターは土曜福島5R3歳以上障害未勝利に出走した。高田潤騎手を背に道中は中団で控えていたが、最終障害の飛越を終えてからはライバルを圧倒。『シーザリオ一族』としても初となる障害レースで2着馬に3馬身差をつけて快勝。障害転向初戦にしてうれしい勝利をあげている。
グローブシアターの障害初戦の鞍上を務めた高田潤騎手は、戦前、競馬ポータルサイト『競馬ラボ』内にある自身の連載コラムで、超がつくほどの良血馬といえども、『僕自身、そこに特別な感情はありません』と綴り、他の馬同様に練習を積み、『グローブには毎日調教で跨り、ここまでしっかりと準備を整えてきました。人馬ともに中途半端な気持ちでやってきたわけではありませんので、集中して自分の持っている力を発揮してくれれば、良い走りをしてくれると信じています!!』と熱い想いを明かしていた。
16年の11月にデビュー戦を迎えたグローブシアターは福永祐一騎手を背に快勝し、続くホープフルS(当時G2)では勝ち馬レイデオロから0秒4差の3着。今後に期待が懸けられたものの、翌年の弥生賞(G2/現・弥生賞ディープインパクト記念)で8着と惨敗すると、結局クラシックへの出走はなし。4歳秋に再びオープン入りを決めたものの、その後に約1年の休養を余儀なくされるなど、そのキャリアは順風満帆とは言い難いものだった。
「グローブシアターは、今年のアメリカジョッキーCC(G2)から復帰したものの、11着と惨敗。その後も結果を出せず、今夏にはBSN賞(L・ダ1800m)を試されるも9着に終わっていました。
成績を残せなかった良血馬が最後のチャンスとして挑んだ今回の障害戦で、見事に2年ぶりの白星を挙げることとなりました。障害では、絶対王者であるオジュウチョウサンが9歳とキャリア終盤を迎えています。そのため直接対決は難しいかもしれませんが、オジュウチョウサン不在の障害界は群雄割拠となることが予想されています。その障害界で台頭していってもらいたいですね」(競馬誌ライター)
高田騎手や応援の声に見事応えたグローブシアター。ようやくたどり着いた新天地で、どこまで高みに登っていくことができるのか。超良血馬の覚醒に期待したい。