JRA武豊「40億円」を紙クズに!? エリザベス女王杯(G1)先頭でゴールを駆け抜けた「悲劇のヒロイン」……“希望”を抱き「忌まわしき過去」の払拭へ
15日、阪神競馬場で行われるエリザベス女王杯(G1)に、エスポワール(牝4歳、栗東・角居勝彦厩舎)が出走を予定している。
エスポワールは半兄にアドミラブルがいる血統。アドミラブルといえばG1勝利こそならなかったものの、一部ファンからは「世代最強」とまでいわれた競走馬だ。
新馬戦こそ「ノド鳴り」の症状もあり敗れたが、喉の手術後は3連勝で青葉賞(G2)を制覇。日本ダービー(G1)でも1番人気(3着)に推された馬だった。
そんなアドミラブルの半妹ということもあり、デビュー当初から注目を集めていたエスポワール。
デビュー戦では3着に敗れたものの、その時の1着は後に菊花賞(G1)を制するワールドプレミア。2着にも、弥生賞(G2)を制するメイショウテンゲンと、強力なメンバーが揃っていた。
2戦目の未勝利戦を勝利したエスポワールは、後に3勝を挙げオープン入り。勝ち星は全てM.デムーロ騎手がもたらした勝利であった。
その後の重賞では2着、3着と惜しい競馬もあったが勝利には至らず……。そして今回、手綱を任されたのが武豊騎手である。
武豊と角居勝彦調教師のエリザベス女王杯といえば、思い出されるのがポルトフィーノだ。
ポルトフィーノは父クロフネに、母がオークス(G1)、天皇賞・秋(G1)を勝利した名牝エアグルーヴ。半姉にアドマイヤグルーヴ、半弟にはルーラーシップなどがいる「超良血馬」だ。
デビュー戦から武豊騎手が騎乗し、2着に5馬身差をつけての圧勝。2戦目のエルフィンS(OP)でも2着に2馬身半差をつけ、一気にクラシック候補へと躍り出た。
しかし、期待された桜花賞では、前日の左寛跛行により出走を取り消し。桜花賞は母エアグルーヴも熱発で回避したレースであり、親娘ともに出走することが叶わなかった。
その後、親子3代制覇の期待が懸かったオークスでは、直前に右第1指骨剥離骨折を発症。全治3か月以上を要するという診断により、出走はまたもや見送られた。
骨折明けで出走登録を行った秋華賞では武豊騎手を鞍上に迎えることも決まっていたが、賞金不足(フルゲート18頭に対し19番目)により、またもや出走は叶わず。秋華賞と同日に行われた清水S(1600万円以下・現3勝クラス)へ出走したポルトフィーノは、秋華賞除外の鬱憤を晴らす勝利を収めた。
清水Sの後、初めてのG1舞台となるエリザベス女王杯に出走が決定。カワカミプリンセス、ベッラレイアに次ぐ3番人気と大きな期待を集めていた。
しかし、「悲劇のヒロイン」に与えられる試練は、クラシック未出走だけでは終わらなかった。