JRA「歴代2位」田辺裕信グレイテストな自爆逃げ!? 玉砕同然「大暴走」に非難の声が殺到……シンガリ大差負けの不可解騎乗に賛否

 15日、東京競馬場で行われた3歳上・2勝クラス(芝1800m)は、武藤雅騎手の2番人気ラルナブリラーレが2着ルイジアナママに4馬身の差をつける快勝。ペースに惑わされず、好位からソツなく抜け出した武藤騎手の好騎乗も光った内容だった。

 東京競馬場の芝は開催が進んだこともあり、内側が荒れ気味の馬場状態。これにともない時計の掛かるレースが目立ち始めていたが、勝ちタイムは1分45秒9と速い。同じ芝1800m条件で行われた毎日王冠(G2)が稍重で1分45秒5だったことを考えれば、0秒4差は異例といえるだろう。

 一方、結果手にこの好時計の立役者となってしまったのが、田辺騎手とのコンビでこのレースに出走していた3番人気グレイテスト(牝4、美浦・武市康男厩舎)だ。

 15頭立てで行われたレース。グレイテストはスタートしてすぐに田辺騎手が主張してハナへ。しかし、先頭を取り切ってからもペースを落とすことはなく、2番手以降の馬との差は広がるばかり。後続を大きく離しての独り旅は1000m通過56秒7という超ハイペースを演出することとなった。

 これまで逃げで好走していたグレイテスト。それだけに、逃げたこと自体は”平常運転”だろう。しかし、ここまで飛ばしてしまうと現在の東京を逃げ切るのは至難の業である。

 サイレンススズカやツインターボを思わせる逃走劇に沸き立つ競馬ファンも多かったが、数秒後には残念なシーンをただただ見守るだけとなった。

 一時は20馬身近く離しての大逃げも直線に入る頃には、追い上げて来た後続馬とのお釣りも早々となくなった。残り400mあたりでバッタリと止まり、後ろから来た馬に次々と置き去りにされていった。

 これに対し、ネット上の掲示板やSNSでは「なにやってんだよ」「笑うしかない」「距離誤認じゃないか」など、田辺騎手の騎乗を責める意見も多く出ていたようだ。3番人気馬の大敗に、中には「騎乗停止にしろ」という過激な言葉もあった。

「最後まで残し切ればマジックと絶賛されたかもしれませんが、大差負け最下位では……。これではただの暴走だったというしかありません。16年安田記念(G1)の8番人気ロゴタイプや14年フェブラリーS(G1)の16番人気コパノリッキーの逃げ切りなど、田辺騎手はアッと驚く思い切りのいい騎乗が持ち味です。

メインレースのオーロC(OP)では他馬が外を回す中、ただ1頭イン突きを決めて3着に入ったように、唸らせられる騎乗も見せてくれました。心配なのは馬の方ですね。最後は歩くような感じでゴールしていました。故障していなければいいんですが……」(競馬記者)

 大逃走となった今回の騎乗だが、レース前に陣営が出していたコメントに伏線があったのかもしれない。

「グレイテストを管理する武市調教師は、稽古でブリンカーをつけたら動きがよかったため、レースでも試したようです。ブリンカー効果でコントロールが効いて力まずに走れればという狙いだったようですよ。

それにしても速過ぎましたね。東京芝1800mで1000m通過56秒7は、歴代2位の超ハイペース。最速は03年府中牝馬S(G2)で逃げたスマイルトゥモローの56秒3でしたが、これと0秒4差でした」(同記者)

 陣営としては力みやすい馬の気性を制御するためにつけた改善策がブリンカーだった。

 ところが、「ブリンカー効果」でレースに集中し過ぎたことが、かえって猪突猛進する結果となってしまったというのなら、何とも皮肉な結果だったというしかない。

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