JRA福永祐一「結果だけが100点ではありませんでした」マイルCS(G1)「今年こそは……」で20年!? インディチャンプで「初挑戦」目覚めぬ「悪夢」に思うのは……
2014年は最もチャンスが大きかったのかもしれない。フィエロに騎乗した福永騎手は、好スタートから3列目の中を追走。直線で前が開くと迷わず飛び込んだ。
残り300m辺りで早くも先頭に立ったフィエロだが、その進路を縫うように上がってきたのが岩田康騎手のダノンシャークだ。
ダノンシャークは進路を内に切り替えると、最後はフィエロとの叩き合い。その結果、ダノンシャークがハナ差を勝利し、福永騎手はまたしても2着に敗れた。
レース後「思った以上に早く前が開いてしまった。スタートもよかったし、いうことはありませんでしたが、結果だけが100点ではありませんでした」と悔しがった福永騎手。前年のマイルCSで福永騎手が騎乗し3着に敗れたダノンシャークは、前走まで手綱を握っていた「お手馬」であった。
そんな福永騎手にとって、昨年のインディチャンプも「今年こそは……」と思っていただろう。デビュー5戦目から主戦に抜擢、安田記念を制し春秋マイルG1連覇がかかった一戦だった。
しかし、またしても福永騎手をアクシデントが襲う。
2019年11月9日、東京競馬場で行われた2歳未勝利戦(芝1800m)でソフトフルートに騎乗した福永騎手は、最後の直線で斜行。11月24日までの騎乗停止処分となり、前走まで7戦連続でコンビを組んだインディチャンプへの騎乗が叶わなくなったのだ。
急遽、乗り替わりとなったのは池添謙一騎手である。
レースでは、インディチャンプがまずまずのスタートから4、5番手の絶好ポジション。最後の直線では、外から先に抜け出したダノンプレミアムを見る形で抜群の手応えだった。
残り200m手前から余裕たっぷりに仕掛けられると、一気に突き抜けたインディチャンプ。最後はダノンプレミアムに1馬身半差をつけての快勝だった。
「代打の神様」による特大ホームランとなったマイルCS。福永騎手は外野から、ただただ見守るしかなかった。
福永騎手にとって不運が付きまとうマイルCS。今年はメンバーも揃っているが、昨年の覇者・インディチャンプも有力馬の1頭だ。
インディチャンプでのマイルCSは「初挑戦」となる福永騎手。「今年こそは……」やはり今回も、そう思っているのではないだろうか。