JRA「蜜月関係」福永祐一来期クラシックも安泰!? 藤原英昭厩舎が全面バックアップ…… 所属の岩田望来には超えられない壁か
14日、阪神競馬場で行われたデイリー杯2歳S(G2)は、福永祐一騎手の1番人気レッドベルオーブが単勝1.3倍の支持に応えて優勝。2着ホウオウアマゾンとの叩き合いを制し、クビ差で凌ぎ切った。
勝ち時計の1分32秒4は2歳コースレコード。昨年の阪神JF(G1)でレシステンシアが記録した1分32秒7を0秒3更新するオマケつきだ。サリオスが制した昨年の朝日杯FS(G1)が1分33秒0だったため、同じ阪神芝1600m条件でG1馬2頭に匹敵する能力を披露したといえるだろう。
レース後、コンビを組んだ福永騎手は「想像以上に厳しい戦いになりました。走破時計が速く、疲労がたまっていると思うので、そのあたりはしっかりケアして次に向かえたらと思います」と激戦を物語るコメントを残した。
また、「レースで頭を上げるところがあり、調教ではそんな面を見せていなかったのですが、次への修正点で改善していけたらと思います」と、新たな課題を挙げながらも「大きい舞台、G1の舞台で活躍できる馬。この2戦が素晴らしい走りで、先が楽しみです」と、称賛したことから、大舞台への手応えを感じているようだ。
しかし、福永騎手が触れたように、課題を残すレース内容だったのも確かである。
「スタート後に頭を上げるなど折り合い面で苦労した分、終いもスッとは伸び切れずに辛勝でした。まだ体が全然できていないのですが、根本的な能力が高いので走ってしまうんです。
それだけに、速い時計で走ると脚元を含めて反動が心配で、未勝利をレコード勝ちした後もしっかり間隔を開けてケアしました。
この血統は体質や足元の弱さを抱えていて、上はノドの疾患で大成できなかったので余計に陣営も気を遣っています」(厩舎関係者)
ひとつ上の全兄レッドベルジュールは、デビューから2連勝でデイリー杯2歳Sを制した。しかし、喉の不安が解消されないため、現役を引退して種牡馬入りした。兄と同じ重賞を制した弟にも陣営が懸念するのは当然の流れかもしれない。
「藤原厩舎は所属の岩田望来騎手を主戦にしていますが、勝負度合いの強い重賞レースでは福永騎手に依頼しています。福永騎手も期待に応えて好成績を残しており、所属馬で重賞未勝利の岩田望騎手に格の違いを見せつけている格好です。
岩田望騎手は若手のホープではありますが、まだ福永騎手の域に達するまでの道のりは長そうですね。将来的なリーディングを目指すにあたって、超えなければならない壁ではありますが、今はまだいいお手本として福永騎手の技術を吸収していくのがベストでしょう」(競馬記者)
藤原厩舎の2歳馬は、距離延長の不安があるレッドベルオーブと17年の皐月賞(G1)、19年の大阪杯(G1)を制したアルアインの全弟シャフリヤールが、これからの看板馬候補である。
2頭の主戦を任されている福永騎手。比べるのは時期尚早だが、今年でいえばサリオスとコントレイルのどちらもお手馬にしているような状況かもしれない。
蜜月関係にある藤原師のバックアップで、これなら来年のクラシックも安泰といえそうだ。