JRAサリオス「痛恨出遅れ」5着でM.デムーロに非難轟々!? マイルCS「前が止まらなかった」上がり最速も、不完全燃焼でコントレイル以外に初めての敗戦
22日、阪神競馬場で行われたマイルCS(G1)は、1番人気のグランアレグリア(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が優勝。本馬はこれで安田記念(G1)、スプリンターズS(G1)に続く3連勝。通算G1・4勝目となった。
この秋のG1は、とにかく1番人気が強い印象だ。
スプリンターズSのグランアレグリアから始まって秋華賞のデアリングタクト、菊花賞のコントレイル、天皇賞・秋のアーモンドアイ、エリザベス女王杯のラッキーライラックと、毎週のように強い馬が強い競馬を見せている。
そして今日も、グランアレグリアの圧倒的なパフォーマンスにファンが酔いしれたわけだが、その一方で大きく期待を裏切ってしまったのが2番人気サリオス(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。
17頭立ての大外17番という難しい競馬になったサリオスは、スタートでまさかの出遅れ……。後方からの競馬を強いられると、最後は上がり3ハロン最速となる33.1秒の末脚で追い上げたが5着。最大のライバル・コントレイル以外に初めて先着を許す格好となってしまった。
この結果に納得がいかないのは、サリオスを応援していたファンだ。
ネット上のSNSや掲示板では、レース直後から「ここで出遅れるとは……」「あんな後ろから届くわけない」「スタートで終わった」「デムーロにはこれ(出遅れ)があるから」など、デムーロ騎手の騎乗に疑問の声が続々……。
3歳No.2として大きな期待が懸かっていただけに、不完全燃焼の競馬は関係者だけでなく、ファンにとっても痛恨となったようだ。
「うーん、出遅れが痛かったことは間違いないですが、それ以上にスローの瞬発力勝負で早めに動けなかったことが最大の敗因だと思います。上がり3ハロン最速33.1秒といえば聞こえはいいですが、勝ったグランアレグリアが5番手から33.2秒で上がっていますからね。
レース後、鞍上のM.デムーロ騎手が『内に行くことも考えたけど、スムーズな競馬がしたかった』と外を回ったことについてコメントしていましたが、だからこそ外枠を活かして早めに前に取り付きたかったですね。
この馬の最大の強みは、やはり高い先行力と息の長い末脚。瞬発力勝負で分が悪いことは、後方から競馬しながらも、逆にコントレイルに突き放された日本ダービーの結果からも明らか。
厳しい言い方になるかもしれませんが、あの位置取りでは、どうやってもグランアレグリアには届かなかったと思います」(競馬記者)
実際に、これまで5番手以内の好位から全4勝を挙げているサリオスだが、日本ダービーでは後方10番手からの競馬。最後は上がり3ハロン34.1秒の末脚で2着まで追い上げたことからも、非凡な瞬発力を秘めている一方、前にいたコントレイルには34.0秒で上がられて逆に3馬身差をつけられている。
この日のマイルCSは、最初の600mが34.9秒という非常に遅いペースだった。サリオスにとって後方13番手からでは、5着まで追い上げるのが精一杯だったということだろう。
レース後、デムーロ騎手は「前で運んだ馬も、この馬場で止まらなかった」と敗因を挙げているが、記者曰く「前残りの展開になったのは、馬場よりもスローペースだったこと」が大きいようだ。
今回も4頭いた3歳馬には先着を許さなかったサリオスだが、目指すのは世代ではなく競馬界のNo.1だ。今回は不完全燃焼に終わってしまったが、G1・1勝で終わる器ではないことは多くのファンが知っているはずだ。