JRAマイルCS(G1)北村友一「思ったより粘れませんでした」レシステンシアの“タメ逃げ”にクレーム殺到!? 繰り返された「主戦降板」の苦い記憶……
22日、阪神競馬場で行われたマイルCS(G1)は、C.ルメール騎手の1番人気グランアレグリアが優勝した。同馬は春の安田記念も勝利しており、今年の春秋マイル王にも輝いた。
直線では自分より後方にいたインディチャンプに抜け出される誤算はあったが、何とかゴール前でライバルをねじ伏せた。一瞬ヒヤッとするシーンがありながらも、単勝1.6倍の断然人気に応えたルメール騎手の冷静な手綱捌きも光る勝利だった。
その一方、4番人気に支持されたレシステンシアは、単騎で逃げることに成功したものの、8着と振るわなかった。先頭で直線を迎えたが、切れ味に勝る後続馬に後れを取ってしまった。粘り強い走りが持ち味の馬としては、あまりにも呆気ない結果といえるだろう。
レース後、北村友騎手は「休み明けの分か精神面の成長かは分かりませんが、返し馬の雰囲気がおっとりしていました」と微妙な変化を気にしつつ、「いいスピードを見せてくれましたが、直線を向いて追い出してからの反応がピリッとせず、思ったより粘れませんでした」と、物足りなさを感じていたニュアンスのコメントを残した。
2着に敗れた5月のNHKマイルC(G1)以来のレースになったレシステンシア。今回は昨年の阪神JF(G1)を制したパートナー・北村友一騎手とのコンビ復活も話題を集めた。桜花賞(G1)は武豊騎手、NHKマイルCではルメール騎手が手綱を取ることとなったが、乗り替わりのきっかけとなったと見られているのが、3着に敗れたチューリップ賞(G2)の敗戦である。
同レースは自ら逃げてハイペースを演出し、2着馬を5馬身千切った阪神JFと同じ阪神・芝1600mの舞台。だが、スローペースで逃げたことが仇となり、直後にマークしていた馬との切れ勝負に屈した。
勿論、マイルCSでコンビ再結成となった北村友騎手に、このときの敗戦が苦い記憶として残っていたことは間違いない。レース前にも「この馬の最大限の力を発揮できるように頑張ります」とコメント。マイルCSではハイペースで逃げるのではないかと見られていただけに、消極的にも映った騎乗は賛否が分かれる結果となった。
北村友騎手の騎乗に対し、ネットの掲示板やSNSでは「なぜ溜め逃げ?」「これまでの敗戦はなんだったのか」「ルメールに戻して」などの辛辣な意見も多数出た。
対して、元JRA騎手の安藤勝己氏はTwitterで「レシステンシアは良く見えたけど、行きっぷりから久々があった。本当は離して逃げたかったと思うよ」と、馬の状態が本調子になかった可能性についても懸念した。
「レシステンシアは骨折明けの復帰戦とはいえ、1週前も最終追い切りもスピードあるパワフルな走りを披露していました。馬体重こそ24キロ増でしたが、デキそのものは決して悪くなかったように感じます。
北村友騎手は馬のリズムを重視したいとレース前に話していましたが、促しても馬が動かなかったのか、意図的なものだったのかは掴みにくいですね。ただ、切れる脚のない馬にとって、これまでの好走パターンはハイペースでの粘り込みでしたから、残念な結果といえそうです」(競馬記者)
また、牡牝で無敗の3冠馬が誕生した3歳馬と古馬の力関係も、今年のマイルCSで注目されていた。3歳からは4頭が出走し、サリオスは2番人気で5着、レシステンシアは4番人気で8着と精彩を欠いた。
3歳世代トップクラスの馬が馬券圏外に敗れたことは、ジャパンCでアーモンドアイとぶつかるコントレイルとデアリングタクトにとって、暗雲が漂う結果となったことは間違いなさそうだ。