JRAジャパンC(G1)「欧州の重馬場が合わない」外国馬ウェイトゥパリスは稀に見るガチ勢!? 勝てば「3億円ボーナス」で合計6億円ゲットにヤル気満々
『Sportiva web』に掲載されている土屋真光氏の記事によると、ウェイトゥパリスを管理するマルチアリス調教師は、むしろ狙い澄まして来日を決めたようだ。
というのも、今年の東京は開幕週に雨の中で競馬が行われるなど、例年の超高速馬場ではない。実際に先週、ジャパンCと同じ東京・芝2400mで行われた南武特別(2勝クラス)の勝ち時計は2:26.4。頭数が11頭とまずまずだったにも関わらず、7頭立てだった昨年、一昨年よりも1.4秒も遅いのだ。
この傾向は、開幕最終週となる今週も大きくは変わらないだろう。
「記事によると、ウェイトゥパリスは昨年もジャパンCに魅力を感じていたそうです。しかし、もっと『実力を付けてから』と参戦を見送り、今年になってサンクルー大賞で初G1制覇を成し遂げました。
またサンクルー大賞は、JRAが指定するボーナスレースの1つ。ウェイトゥパリスがジャパンCを勝てば1着賞金3億円に加えて、約3億円の報奨金が付きます。2着でも約1億2000万円、3着で約8000万円……陣営はこの時点でジャパンC参戦を本格的に決めたそうです。
4着以下でも約2000万円の報奨金が付きますが、金額の開きは大きい。陣営も当然、馬券圏内を狙っての出走のようです」(競馬誌ライター)
コロナ禍であえて来日を決めた理由は、決して“日本観光”ではないようだ。また、ウェイトゥパリスの血統面にも注目する別の記者も、陣営の「今年の東京の馬場ぐらいがちょうどいい」という発言を裏付けている。
「父のChamps Elyseesは、2006年に3着したウィジャボードと同じダンチヒの流れを汲むノーザンダンサー系。さらに母も一昔前の東京で強かったコジーンと、ヌレイエフという配合で、いかにも時計が掛かる今の東京は絶好といった血統構成です。
日本の馬場は走ってみないとわからないところはありますが『外国馬だから……』という理由だけで軽視するのは軽率だと思いますね」(別の記者)
また、ウェイトゥパリスはこのレースを最後に引退して種牡馬入りが決まっているが、繋養先は日本ではなくアイルランド。この事実も、外国馬によくある“物見遊山”でないことを証明している。
「一言で言うと『戦士』と呼べる闘争心の持ち主」「やる気になれば怖いものなし」
そう管理馬ウェイトゥパリスを評価し、胸を張る陣営。鞍上に日本のM.デムーロ騎手を指名したことを含め、近年の外国馬とは一味違うのかもしれない。