JRAジャパンC(G1)3連複300円超えの「290円」を記録した絶対王者。アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクト超え「衝撃記録」の裏側

 それは障害の絶対王者オジュウチョウサンが優勝した2018年の中山グランドジャンプだ。

 当時、すでに障害レースで8連勝(うちJ・G1を4勝)と、名ハードラーとして名を轟かせていたオジュウチョウサン。レースの単勝オッズは1.5倍の圧倒的な支持を集めた。これに次ぐ人気を集めたのが、障害重賞5勝を誇るアップトゥデイト。オジュウチョウサンの2着に3度敗れていたが、障害界No.2の地位を揺るぎないものとしていたため、対抗馬として単勝オッズ2.4倍に支持された。そこから大きく離れた単勝オッズ14.1倍の3番人気が障害レースで6勝、2着3回で連対率100%のニホンピロバロンだった。

 レースはアップトゥデイトがハナを切り、オジュウチョウサンは2、3番手の位置取り。残り600mで逃げるアップトゥデイトに替わりオジュウチョウサンが先頭に立つと、そのまま後続を引き離して優勝を飾った。

 最終的には2着アップトゥデイトに大差をつける圧勝。さらにそこから9馬身差の3着にニホンピロバロンという下馬評通りの結果となり、配当は3連複が290円、3連単が570円という驚きの金額だった。

「当時はオジュウチョウサン、アップトゥデイトが障害界で抜けた存在でした。2強というより、1強と抜けた2番手といったほうがいいでしょうか。これ以外にも、1着オジュウチョウサン、2着アップトゥデイトで決着したレースは、3連単の配当が1000円を下回ることが2度ありました。

ジャパンCは3強のどれが勝つかわからないレースという感じでしたが、オジュウチョウサンとアップトゥデイトが出走したレースは3着探しという雰囲気があった点は大きく異なりますね」(競馬記者)

 そんなオジュウチョウサンは14日の京都ジャンプS(J・G3)で4年8か月ぶりの黒星を喫した。その後、左前脚の捻挫が発覚したため、年内は休養に専念し、6連覇が懸かる来年4月の中山グランドジャンプへ向かう予定となっている。

 芝の大物アーモンドアイは引退するが、障害の絶対王者はまだまだ現役。またしても低配当記録を更新することがあるだろうか。

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