JRA・G1の1番人気連勝クリソベリル勝てば「34年ぶり」更新。34年前、皇帝シンボリルドルフ、三冠牝馬メジロラモーヌから託された7連勝のバトン……デビュー5連勝「無敗の2歳王者」を襲った悲劇
二冠馬ミホシンザン、最強マイラー・ニホンピロウイナー、皇帝シンボリルドルフ、さらには史上初の三冠牝馬メジロラモーヌという豪華絢爛な歴史的名馬たちが紡いだ「一番強い馬が勝つ」という流れ……。当時、記録が注目されていたのかは定かではないが、もし意識していれば尋常な重圧でないことは想像に難しくない。
しかし、当時のダイシンフブキはプレッシャーを十分に跳ね返せるだけの大器だった。
前年に1度バトンを引き継いでいるように、すでに2歳王者だったダイシンフブキ。しかも、ここまでデビューから負けなしの5連勝で皐月賞トライアルの弥生賞(G2)を制覇。1番人気に推されて当然の存在だった。
レース運びも完璧だった。好位を追走し、最後の直線では手応え良く先頭に並びかける。当時のファンは誰もが、またも本命決着を覚悟したことだろう。
しかし、そこからズルズル後退したダイシンフブキは、レース中に骨折していたことが判明……そのまま無念の引退となったのだ。
あの悲劇から34年。再び本命馬たちは重圧を跳ね返し、バトンを7回繋いだ。
果たしてグランアレグリア、デアリングタクト、コントレイル、アーモンドアイ、ラッキーライラックから“新記録達成”を託されたクリソベリルは、先頭でゴール板を通過できるだろうか。勝ち負けも大事だが「まずは無事に」とエールを送りたい。