JRAチャンピオンズC(G1)“秘密兵器”封印で伏兵が本領発揮!? M.デムーロ「ずっとハミを噛んで……」無念の8着もこれが原因か
「最後は疲れてしまいました」
9月30日に行われた日本テレビ盃(G2)で5着に敗れたアナザートゥルース(セン6歳、美浦・高木登厩舎)に騎乗したC.ルメール騎手が残した言葉だ。
レースはハナを主張するサルサディオーネとアナザートゥルースが激しく競り合う展開。1000m通過が58秒6という超ハイペースを演出し、最後の直線でアナザートゥルースは力尽きてしまった。単勝オッズ2.3倍の1番人気を裏切るまさかの敗戦である。
そんなアナザートゥルースは今週末に中京競馬場で行われるチャンピオンズC(G1)に出走を予定している。クリソベリルをはじめとした豪華メンバーによって争われる頂上決戦では、伏兵の1頭に過ぎないだろう。
だが、今回は前走からの一変が期待できそうだ。
ノルマンディーサラブレッドレーシングのホームページに高木調教師の「今の気配なら本番でもブリンカー装着の必要はないでしょう」というコメントが掲載されており、今回はブリンカーを外してレースに挑むことになりそうだ。
ブリンカーは馬の視界を遮ることによって、レースに集中させる効果がある。実際に、今年の北九州記念(G3)では初ブリンカーのレッドアンシェルが完勝。レース後、福永祐一騎手は「今日はブリンカーを装着してもらった。その効果は顕著だった」と話しており、競走馬の能力をより引き出すことが期待できる秘密兵器とも呼べる馬具だ。
そのため、ブリンカーを外すことは逆効果に思われるが、アナザートゥルースにとってはプラスに働くだろう。
「右回りはモタれるのでブリンカーを着けていましたが、左回りは着けなくてもスムーズに走れていました。3月に船橋競馬場で行われたダイオライト記念(G2)は片方のブリンカーを外して勝っていますし。
しかし、日本テレビ盃は両側のブリンカーを着用して出走したため、前進気勢が強くなり、暴走とも呼べる走りをしてしまったようです。これを考えれば、前走は度外視できますね。近走、安定した走りを見せているので、ブリンカーなしの左回りはプラスとなりそうです」(競馬記者)