JRA M.デムーロ「絶望」の先に見えた希望の光!? 朝日杯FS(G1)2歳“ホープ”に託された「復活」へのシナリオ
13日、阪神競馬場で行われた阪神JF(G1)は、1番人気のソダシが優勝。2着にも2番人気のサトノレイナスが入り人気通りの決着となった。
健闘したのが6番人気のユーバーレーベン。3強の一角と目されたメイケイエール(4着)を競り落としての3着は、M.デムーロ騎手の復調を感じさせるものだ。
そんなデムーロ騎手は、20日に行われる朝日杯FS(G1)でスーパーホープ(牡2歳、栗東・藤岡健一厩舎)に騎乗予定。デビュー戦以来のコンビ復活となる。
同馬のオーナーは青山洋一氏。デムーロ騎手とのコンビでは、2016年の桜花賞(G1)を制したジュエラーが思い出される。
デビュー戦を牡馬相手に完勝したジュエラーは、2戦目も牡馬相手のシンザン記念(G3)を選択。初の重賞挑戦も2着と健闘し、クラシック候補として名乗りを挙げた。
桜花賞の前哨戦であるチューリップ賞(G3・現G2)は、それまで2戦2勝と負けなしのシンハライトを抑えての1番人気。しかし、レースではシンハライトにハナ差屈する2着と敗れている。
リベンジを懸けた桜花賞は、前年の2歳女王メジャーエンブレムが1番人気の単勝1.5倍。2番人気に4.9倍でシンハライトが続き、ジュエラーは5.0倍の3番人気であった。
4番人気のレッドアヴァンセが22.0倍で、3強対決と目された一戦。しかし、レースは序盤から思わぬ展開となる。
これまで前々の競馬で押し切ることを得意としてきたメジャーエンブレムであったが、外のアッサルーテが好スタートを決め、その後ろに控える形となったのだ。
不運なことに、さらに外からカトルラポールがハナを主張。その他の外枠勢も先行集団に加わったことで、最内3列目で持ち前の機動力を活かせない状況に陥った。
メジャーエンブレムを見るように外からシンハライト。ジュエラーは後方2番手で直線勝負に懸けた。
最後は瞬発力勝負となり、直線でも外のラベンダーヴァレイにブロックされたメジャーエンブレムは万事休す。その外をスムーズに回ってきたシンハライトが一気に抜け出しを図る。
残り200mを切り1馬身ほどのリードをとったシンハライトであったが、それに襲い掛かったのがデムーロ騎手騎乗のジュエラー。後方から一気の末脚で追い込み、シンハライトに鼻面を併せたところがゴールとなった。
写真判定の結果、ハナ差でジュエラーが勝利。この年、デムーロ騎手は桜花賞を含めG1で4勝と大活躍した。
年間132勝を挙げてリーディング4位。翌年には171勝を挙げリーディング2位と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。