JRA武豊「とても乗り味がいい」C.ルメール「来年が楽しみ」。 東西で「Kingman×独オークス馬」の超大物2歳が強烈インパクト!
19日、中山競馬場で行われたひいらぎ勝(1勝クラス)は、1番人気のシュネルマイスター(牡2歳、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。単勝1.9倍という圧倒的な人気に応え、デビュー2連勝を飾った。
12頭立てで行われた芝1600mのレース。デビュー戦こそゲートでやや後手を踏んだシュネルマイスターだったが、この日はスムーズなスタート。鞍上のC.ルメール騎手が軽く促すと、楽に好位に取り付いた。
すんなりハナを切ったマウンテンムスメが引っ張るペースは600m通過が35.6秒。この日、同じ中山の1600mで行われたターコイズS(G3)でトロワゼトワルが刻んだ600m通過34.5秒より1.1秒も遅いスローペースだった。
3、4コーナーでペースが上がってライバルたちが動き出したが、ルメール騎手は慌てない。最後の直線を迎えて馬群がばらけた所で鋭く先頭に躍り出ると、最後は楽に後続を突き放してゴールした。
「強いレースでした。4コーナーで前が壁になる難しいレースでしたが、前にいたアヴァノスが抜け出した進路を上手く使ったルメール騎手のファインプレー。最後の直線入り口でアヴァノスが外にヨレたこともあって、あっさり抜け出しました。ルメール騎手もその瞬発力を褒めていましたね。
レースから2時間くらい前にあった阪神の新馬戦を勝ったエリザベスタワーが父Kingman、母が独オークス馬という良血だったんですが、シュネルマイスターもまったく同じ父Kingmanに母が独オークス馬。ただ、こちらの方が器用さを感じますし、距離もマイルから2000mくらいが良さそうです」(競馬記者)
また、シュネルマイスターを管理する手塚貴久厩舎は、明日を行われる朝日杯フューチュリティS(G1)に武豊騎手と共に挑むドゥラモンドを送り込む。
「実はシュネルマイスターとドゥラモンドは調教パートナーという間柄で、直前の最終追い切りも2頭の併せ馬で行われました。結果は先行したドゥラモンドをシュネルマイスターが追いかける形で最後は併入。
ほぼ互角の動きをしたシュネルマイスターが結果を出したこともあって、明日のドゥラモンドへの期待も大きくなるでしょうね」(別の記者)
レース後、ルメール騎手が「能力があります。乗りやすいし、冷静に走っていて最後は瞬発力があった」とシュネルマイスターを称賛すれば、手塚調教師も「思っていたより(馬体が)重く見えたけど、それでも勝つんですからね。重賞級ですね」と将来に大きな期待を寄せている。
「来年が楽しみです――」
そう語ったルメール騎手の言葉はリップサービスではなさそうだ。武豊騎手が「とても乗り味がいい」と絶賛したエリザベスタワーを含め「Kingman×独オークス馬」が強烈なインパクトを残した一日だった。