JRA武豊は何故「暴走娘」メイケイエールを馬群に入れないのか。「団野君の馬にタッチした」明かされた理由と「落馬寸前」の危険な実験に驚愕
「よっしゃー!」
昨年12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)、その枠順が決まった際だ。メイケイエールを管理する武英智調教師の“雄叫び”に、少々違和感を抱いたファンも少なくなかったのではないだろうか。
大外の18番を引き当てたメイケイエールは、主戦の武豊騎手が「課題は明白」と話している通り、以前からひどい掛かり癖で有名な馬だ。そんな“問題児”が大外枠を引いてしまえば、ますます不利になってしまうのではないか――。
というのも本来、掛かり癖を持つ馬を制御する手段の1つとして「馬群の中に入れる」というセオリーがあるからだ。
レース中、いくら馬が前に行きたい気持ちを出しても、目の前に“馬の壁”があれば諦めざるを得ない。そうして折り合いがついて脚を溜められた馬が、最後の直線で凄い脚を繰り出すシーンはそれこそ日常茶飯事と言えるだろう。
だからこそ、いくら我が強いメイケイエールでも馬群の中に入れてしまえば、上手く折り合えるのではないか――。筆者を始め、熱心な競馬ファンなら誰もが一度は考えそうなことだが、そんな甘い妄想は武豊騎手の一言で吹き飛んでしまった。
「団野君の馬にタッチしましたからね……」
そう武豊騎手が解説したのは『武豊TV!ll』(フジテレビ系)の一幕だ。昨年の阪神JFを振り返る際、外から掛かり通しでポジションを上げていくメイケイエールに、鞍上の武豊騎手も相当手を焼いていたという。
このままでは最後の脚が持たないと判断した武豊騎手は「一瞬、『馬の真後ろに入れて我慢できるかな?』と思った」と、咄嗟に前を走っていた団野大成騎手のアオイゴールドを使って“馬の壁”を試したようだ。
ところが「ちょっと触りましたもんね。前の馬に……」と、メイケイエールは躊躇することなく、そのまま前の馬に突っ込もうとしたらしい。これには司会の福原直英アナも「それは危ないですね」と絶句……。
経験豊富な武豊騎手だけに事なきを得たが、あわや落馬事故のアクシデントだったようだ。