JRA「大暴走」が賛否両論呼んだお騒がせ馬に陣営が下した決断! 「噛み合わなかった」騎手も謝罪…… ライバル陣営にとってまたとない朗報!?
あのお騒がせ馬が優等生に大変身あるか?
昨年のスプリンターズS(G1)を16着に大敗したビアンフェ(セ4、栗東・中竹和也厩舎)は、1月31日に中京競馬場で行われるシルクロードS(G3)を視野に調整が進められている。
ビアンフェは父にキズナ、母父に稀代のスプリンター・サクラバクシンオーのいる快速馬。そのスピードを活かした逃げでスプリント重賞を賑わせて来た馬だ。今回、これまでと異なるのは性齢の表記である。どうやら去勢が行われ、セン馬になったようだ。
去勢をすると種牡馬になれないというデメリットが発生する側面もある。その一方で気性が穏やかになり、競走において操縦性が改善されやすくなるというメリットも大きい。すでに重賞実績がある馬とはいえ、現状でG1を勝ち負けするまでに至っていないビアンフェにとってはプラスとなるかもしれない。
同馬の名前を一気に”全国区”に押し上げたのは昨年のスプリンターズSだろう。前走のセントウルS(G2)を5着に敗れたが、課題とされていた折り合いに進境を見せていた。藤岡佑介騎手も「ハナに行っても力むくらいの馬ですが、今日は折り合ってくれました」と、レース後にコメントしたように収穫のあるレースだった。
しかし、本番のスプリンターズSではファンファーレが鳴り響いたゲート入りの段階で“イヤイヤ”……。先入れ発走だったものの、一向にゲート入りが終わらず5分が経過、最終的に藤岡佑騎手が一旦下馬してのゲートインとなった。
16頭立てのフルゲートとなったレースで、ビアンフェは抑えが利かなかった。ハナに立ったモズスーパーフレアに競り掛け続け、前半3ハロンは32秒8を計時。時計の掛かっていた最終週の中山を大暴走して超ハイペースの立役者となってしまった。ビアンフェは直線で息が持たずに最下位に敗れ、藤岡佑騎手も「噛み合わなかったです。発走を遅らせて申し訳ありせん」と謝罪した。
思わぬとばっちりを食らった格好となったのは、2番人気に支持されていた前年の2着馬モズスーパーフレアだ。これまで逃げて好結果を残して来た馬だけに、ビアンフェ暴走の影響が直撃。終始、競り掛けられたこともあってか直線でいつもの粘りを欠き、10着に大敗。この結果に騎乗していた松若風馬騎手も「前半競られた分、直線で甘くなってしまいました」と悔やんだ。
そして、思わぬ議論を呼ぶ事態にもなった。11番人気の穴馬が2番人気の馬に対して執拗に絡んだことで、ネットの掲示板やSNSでは藤岡佑騎手の騎乗について賛否が分かれた。
競馬には金銭が絡むだけに、意見が異なることは致し方のないことではあるが、抑えの利かなくなった馬を行かせるのも騎手からすれば、やむを得ない手段だったといえるだろう。
ビアンフェが“去勢効果”でどう生まれ変わったのか。
まずは始動戦と見られているシルクロードSの走りに注目してみたい。