JRAオークス馬の妹「異次元の末脚」で圧巻デビュー! 横山武史「1600mは明らかに短い」絶望的な位置取りから上がり3ハロン33.5秒の末脚爆発
16日、中山競馬場で行われた6R・新馬戦は、1番人気のオメガロマンス(牝3歳、美浦・斎藤誠厩舎)が優勝。2014年のオークス馬ヌーヴォレコルトの全妹が、単勝1.7倍に応えてデビュー戦を飾った。
16頭立ての芝1600mのレース。まずまずのスタートを決めたオメガロマンスだったが、無理せず中団から。その後、ズルズルとポジションを下げ、4コーナーを迎えたところでは集団から5馬身ほど離される厳しい位置取りだった。
だが、レース後に鞍上の横山武史騎手が「4コーナーでエンジンが掛かってから、いい脚を使ってくれた」と振り返った通り、“やる気”になってからの伸び脚は他を圧倒。
最後の直線入り口でもまだ集団の最後方だったオメガロマンスだが、大外に持ち出されると末脚が爆発。メンバー断トツの上がり3ハロン33.5秒の末脚で、前を行く馬すべてを飲み込んでしまった。
「最後は2着馬をハナ差だけ捉える接戦でしたが、最終追い切りをした美浦の坂路でラスト1ハロン11.8秒を叩き出していただけに、最後の末脚は強烈でしたね。2着ホウオウラフィットも後方から上がり2位の34.1秒と非常にいい末脚でした。上がり3位が35.5秒ですから、この2頭だけがまさに異次元の末脚を使ったことになります。
直前には陣営が『マイルから1800mくらいが合いそう』と話していましたが、レース後に横山武騎手が『1600mは明らかに短い。最低でも1800mぐらいは欲しい』と話していた通り、いざフタを開けてみるとマイル戦では追走に苦労している様子でした。ハーツクライ産駒の全姉は2400mのオークスを勝ったヌーヴォレコルトですし、今後は距離を伸ばした方が良さそう。今回は中山でしたが、広い東京コースも合いそうな馬です」(競馬記者)
姉ヌーヴォレコルトもマイル戦でデビューして桜花賞(G1)は3着。そこから800m距離が伸びたオークスで、同世代のライバルたちを逆転した。
その後、古馬になってからもエリザベス女王杯(G1)や香港C(G1)で2着するなど息長く活躍。また、米ブリーダーズC(フィリー&メアターフ)に挑戦するなど、積極的に海外遠征を行っており、管理する斎藤誠厩舎にとっても思い出深い馬だろう。
ちなみに横山武騎手は、この勝利がJRA通算200勝目の節目となった。昨年94勝を挙げ、デビュー4年目にして関東リーディングに上り詰めた新鋭が、牝馬クラシックへ強力なパートナーを手に知れたのかもしれない。