JRA横山典弘「負傷」で恩恵!? 息子・横山武史リーディング奪取に「全集中」強力アシストでフィーバーの予感
レースは芝1800mの14頭立て。好スタートを切ったミディオーサが大外からハナを主張すると、アールクインダムはその後に続いた。
直線でも残り100mまで粘ったミディオーサ。しかし、最後は単独2番手を追走したアールクインダムが力強く抜け出し、ガロシェの追撃も抑えて快勝した。
道中は縦に長く広がった展開となったが、結果的には前々での決着。一方、人気の一角だったデジマノハナは最後方からの追走となったが、4コーナーを過ぎて競走を中止した。
レース後、デジマノハナは右前肢跛行と発表されたが、レースでもスタート後に馬の異変を察知したのか、横山典弘騎手が手綱を強く引っ張って控えるシーンがあった。行こうとする馬を無理に制御したためか、騎乗していた横山典騎手も右の人差し指を捻挫。17日の騎乗は7鞍を予定していたが、全て乗り替わることとなった。
この乗り替りにより大きな恩恵を受けそうなのが、息子である横山武史騎手だ。
17日は、もともと5鞍の騎乗を予定していた横山武騎手だが、父親からの乗り替わりで3鞍追加され、計8鞍に騎乗。中でも乗り替わりとなった6Rのブルーダイヤカフェに至っては前日オッズ単勝1.9倍の断然1番人気で、横山武騎手にとっても「全集中」で勝ちに行くことが予想される。
昨年はデビュー4年目にして94勝を挙げ関東リーディングに輝いたが、全国リーディングではC.ルメール騎手が204勝と目指す壁は高い。今年は開催5日が終了して早くも5勝を挙げている横山武騎手。16日終了時点で全国リーディング4位タイにつけており、昨年以上の成績も期待される。
今回、横山典騎手の乗り替わりが発表された時点で、最初に決まったのが横山武騎手の3鞍。父親からの「強力アシスト」は、息子にとっても心強いはずだ。
横山親子の乗り替わりといえば、思い出されるのは昨年のオークス。騎乗停止により主戦を務めていたウインマリリンへの騎乗は叶わなかったが、代わりに手綱を執ったのが横山典騎手だった。結果は7番人気ながら2着と健闘。息子の無念に応えた好騎乗であった。
「今回の乗り替わりは、横山典騎手からすればウインマリリンの“お返し”という意味合いも、少しは含まれているのかもしれませんね。横山武騎手としてもシッカリと結果を出して、それに応えたいところでしょう」(競馬記者)
ウインマリリンはその後、横山武騎手に手綱が戻り前走はエリザベス女王杯(G1)でも4着と健闘。もともと戻ることが決まっていた乗り替わりであったにせよ「親子の絆」を思わせる乗り替わり劇であった。
今回は息子が父の期待に応える番。17日は「横山武史フィーバー」となるかもしれない。