第5回阪神開催は「ひと味」違う?逃げ馬の”驚愕”好成績に見る阪神芝コースの傾向と対策
おわかりいただけただろうか。要するに、逃げ馬の好走が頻出したのだ。馬券圏内を外したレースにしても、土曜3R以外は4着を確保しており、掲示板率は90%以上のハイアベレージを記録。これなら、「逃げ馬だけ買っていれば儲かる」といっても過言ではない状態である。
このような極端な馬場状態が生み出された原因のひとつに考えられるのは、最近よく耳にする「エアレーション」の影響だ。エアレーションとは簡単に言うと、芝を柔らかくするためにコースに穴をあけ、クッション性を高める作業のことをいう。これをすることによって芝が従来よりフカフカになり、どちらかと言うとタフな馬場状態が生み出される。
基本的な馬場状態と好走脚質の関係をおさらいすると、パンパンの良馬場の方が逃げ・先行馬が残りやすく、タフさが増すほど差し・追込も決まるようになる。京都の開幕週を思い出していただければわかりやすいだろうが、馬場がいいと前に行った馬に負荷がかからず、ゴールまで押し切りやすくなるためだ。
では、阪神でなぜ逃げ残りが頻発したかというと、「エアレーション」を実施したからではなく、逆に「しなかった」ため。これはJRAのHPを確認するのが手っ取り早い。馬場状態のページをチェックすると、同開催の中山競馬場は前回開催後にエアレーションを実施したと記載されているにもかかわらず、阪神では行われていないのだ。
この正確な理由はよくわからない。それぞれの芝の生育状態を鑑みてのことだと思われるが、ともかく事実として、阪神ではエアレーションは行われておらず、中山では行われるという相違点があるのは間違いない。
エアレーションの影響を如実に物語るのは、先週の中山芝レースにおける逃げ馬の成績。馬券圏内に入ったのは、10レース中2頭だけだった。阪神とは段違いである。
馬場状態は週単位で変化する場合もあるため、この傾向が今週も当てはまるとは限らない。ただ、「阪神は逃げ馬が有利かも」と頭に入れておくことは、馬場状態をいち早くつかむのに役立つだろう。