【怪物フランケルの「日本制圧作戦」第1弾】阪神JFはソウルスターリングが制す!たったワンステッキで2歳女王の座を手に入れた「血の力」
ソウルスターリングは楽々先団に取り付くと、ラチ沿い3、4番手の好位を確保。道中は動きもなく進み、スムーズな流れで直線へ。この時、鞍上ルメール騎手の手応えは抜群だった。ラチ沿いのスペースを突いてインから抜け出し、残り200mで先頭へ立つ。それでも、まだ脚色には余裕が感じられた。
最後の最後に外から2番人気のリスグラシューが追い込み、ちらりと目線をやったルメール騎手が「念のため」という雰囲気で左ムチを一発。それで勝負は決した。余力残しのソウルスターリングはもう一段階ギアを上げ、最後は流してゴールイン。着差自体は1.1/4馬身だが、本気で追っていれば差はもっと開いだだろう。
「ソウルスターリングのお母さんであるスタセリタは、僕と一緒に仏オークスを勝った思い出のある馬。だからこそ、今日はスペシャルな1日でした」
ルメール騎手はレース後のお立ち台でそう語った。この日6勝の固め打ちを見せた名手の顔には、大きな仕事を終えたあとの安堵と喜びの色がうかがえた。
2着のリスグラシューも実力の片鱗は見せた。この日はラチ沿いがよく伸びる馬場で、外から伸びてくる馬はあまりいなかった。そんな中、8枠18番の大外発走から終始馬群の外めを回らされながら、上がり最速の末脚で追い込んだ内容は十分評価していいだろう。ゲートの出が悪かったことも加味すれば、力負けと断定するのは早計と思われる。
3着のレーヌミノルは好スタートを切ったあと、一旦はハナを奪うかとも思われたが、外のアリンナに先を譲って自身は3番手の競馬。馬群の中で落ち着いたレースが出来ており、直線でも一瞬グッとくるところはあったが、最後は上位2頭とのエンジンの差が出た印象だ。