JRAエクランドール「33秒1」超速上がりでオークス当確!? フィエールマンVSシルバーステート代理戦で分かれた明暗
31日、東京競馬場で行われた6R・3歳新馬(芝1800m)は、C.ルメール騎手の2番人気エクランドール(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。1番人気に支持されたホウオウサミットとの叩き合いをハナ差で制し、デビュー勝ちを飾った。
1月最終日と遅い時期の新馬戦とはいえ、全兄に春の天皇賞(G1)を連覇したフィエールマンのいるエクランドールを筆頭に、重賞級の兄を持つ馬が複数出走した一戦。福永祐一騎手が最強馬と認めたシルバーステートの全弟マンインザミラー、ミトラの半弟ホウオウサミット、スワーヴアラミスの半弟フジマサインパクトなど、超豪華なメンバー構成でもあった。
16頭立てのレースでルメール騎手の手綱捌きが光った。8枠16番と不利な大外枠からのスタートをソツなく決めるとエクランドールを中団に促して馬群の中に入れる。先手を主張して主導権を握った武豊騎手のマンインザミラーは、1000m通過1分4秒4の超スローペース。開幕週で軽い馬場の東京で絶好のポジションだったといえる。
ところが、いざ最後の直線を迎えて追い出されるもマンインザミラーの反応はもう一つ。4番手の好位から抜群の手応えでこれに並び掛けたホウオウサミットが残り200mで先頭に躍り出る。直線で馬場の中頃に持ち出されたエクランドールも懸命に追うが、先に抜け出したホウオウサミットの完全な勝ちパターンだった。
エクランドールがただの良血馬ではないところを見せつけたのがここからだ。粘り込みを図るホウオウサミットを追い詰めるとハナ差捉えてゴール。これがデビュー戦だった馬とは思えない勝負根性を披露した。
会心の勝利を「ディープインパクト産駒らしい軽いフットワークでした」と振り返ったルメール騎手。直線で駆使した上がり3F33秒1は勿論メンバー最速の鬼脚。兄フィエールマンにも匹敵すると思える桁違いの切れ味だ。
「これはちょっと衝撃的なデビューだったかもしれませんよ。並の馬ならあの展開から差し切るのは至難の業でしょう。3着馬が3馬身半も離されたように、ホウオウサミットも次走で即勝ち負けを期待できるレベルの馬でした。
血統的な裏付けもありますし、1800mでこの勝ち方ができるなら距離延長も歓迎のタイプです。桜花賞(G1)には間に合うかどうかはわかりませんが、オークス(G1)に出て来るようならかなり期待できそうです」(競馬記者)
懸念があるとすれば、エクランドールが430キロと小柄な馬体であることだ。陣営が時計も掛かって力を要する重い馬場の中京ではなく、軽くて切れを活かせる東京でデビューさせたのも察しが付く。
ただ、G1を意識させる見事な走りを披露したエクランドールに対し、武豊騎手のマンインザミラーが完敗したのは、前評判の高かった2頭で明暗が分かれる結果となった。