JRA高松宮記念(G1)と同じ展開で結果は「真逆」……。なぜモズスーパーフレア、クリノガウディーは惨敗したのか。シルクロードS(G3)が「偽りの前哨戦」だった理由

 1月31日に行われたシルクロードS(G3)はシヴァージが優勝した。これまで上がり最速の末脚を繰り出すも前に届かなかった惜敗続きにピリオドを打った。

 今年のシルクロードSは改修工事中の京都競馬場に替わり、中京競馬場での開催。3月に行われる春のスプリント王決定戦・高松宮記念(G1)と同じ舞台ということで、例年以上に前哨戦として意味合いの強いレースとなった。勝ち馬のシヴァージは本番でも注目を集めることになりそうだ。

 その一方、昨年の高松宮記念を制したモズスーパーフレア、ゴール板を1番早く駆け抜けたクリノガウディー(1位入線、4着降着)はどちらも惨敗に終わった。

 ハンデなどの条件は異なるものの、同じコースということでモズスーパーフレアは1番人気、クリノガウディーは6番人気に支持された。

 18頭立てのフルゲートで争われたレースはモズスーパーフレアがハナを切り、クリノガウディーが2番手を追走。高松宮記念も前者が逃げ、後者が3番手だったということもあり、昨年の再現もありえるのではないかと思われた。しかし、最後の直線で2頭はズルズルと後退。クリノガウディーは16着、モズスーパーフレアは17着と、G1好走馬が同じ舞台でまさかの敗戦を喫した。

 レース後、モズスーパーフレアに騎乗した北村友一騎手は「この中京の(馬場)条件はこの馬にとっては厳しかったですね。3コーナーでつんのめって脚をとられて、4コーナーでもうひとつ(流れに)乗せられなかった」と敗因を分析。

 また、クリノガウディーに騎乗した鮫島克駿騎手は「流れに乗ったレースができたのですが、結果的に速かったかなと思います。斤量も58キロで、ラストは苦しくなりました」とコメントしており、ペースと斤量が堪えたようだ。

 良馬場で行われたシルクロードSは前半3ハロンの通過が33秒7。重馬場の高松宮記念が34秒2だったことを考えれば、それほど速くないようにも感じられる。だが、開催が進んで芝の痛みが目立つ今の中京の馬場では、先行勢にとってはきつい流れだったのかもしれない。

「勝ったシヴァージは外差し、2着のライトオンキューと3着のラウダシオンは先行策から健闘しています。平均ペースという見方もできるかもしれませんが、後方から脚を伸ばした10番人気のリバティハイツが4着、12番人気ルッジェーロが6着ということから、後方有利のハイペースと見るのが正しいと思います。

それにモズスーパーフレアは流れに乗れなかったこと、クリノガウディーは斤量が敗因に挙げられているので、本番での巻き返しは十分にあるはずです。この1戦だけで、軽視するのは危険ですね」(競馬記者)

 昨年12月から始まった中京開催は1週間の休みを挟んだものの、約2か月間の連続開催で行われている。4週間の間隔を空けて始まる次開催の3週目に高松宮記念は行われるため、馬場傾向も変わるだろう。また、モズスーパーフレアは1.5キロ、クリノガウディーは1キロ軽い斤量で出走することになる。

 シルクロードSを惨敗したことで2頭が人気を落とすようなことがあれば、本番はむしろ狙い目となるかもしれない。

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