JRAグランアレグリアは「良きお手本」!? クイーンC(G3)横山武史が小さな馬体に託す大きな夢レフトゥバーズに“福がある”?
13日、東京競馬場で行われるクイーンC(G3)に、レフトゥバーズ(牝3歳、美浦・萩原清厩舎)が出走を予定。前走の新馬戦に引き続き、横山武史騎手が手綱を握る。
昨年94勝を挙げ関東リーディングに輝いた横山武騎手だが、いまだ重賞制覇はウインマリリンでのフローラS(G2)のみ。先週は未勝利と精彩を欠いたが、「残り物」の意味を持つレフトゥバーズが“福”を呼び込むかもしれない。
レフトゥバーズのデビュー戦は、東京の芝1600m戦。18頭立てのフルゲートで行われた。
スローペースながらも縦長となったレースで、レフトゥバーズは馬群の中団を追走する。直線では驚異の瞬発力を見せ、他馬を一蹴。一瞬のうちに馬群から抜け出すと、2着ビューティフルデイに3馬身半差をつけて圧勝した。
レース後「勝ち負けになる自信がありました。想像以上の瞬発力で、新馬とは思えないくらいビュッと動いてくれました。直線では僕が馬の動きについていくのに精一杯でしたよ」と驚きを口にした横山武騎手。そのパフォーマンスからも、ポテンシャルは計り知れない。
勝ち時計の「1.34.5」は、東京1600mの2歳新馬戦ではグランアレグリアに次ぐ歴代3番目のタイム。上りは「33.4秒」と、グランアレグリアが新馬戦で見せた「33.5秒」を上回っている。
ただ、心配なのは馬体重。デビュー戦では「418kg」と、その小さな馬体は決して見栄えがするものではなかった。
しかし、この点に関してもクリアできるのではないかと記者は話す。
「確かに馬体の小さなレフトゥバーズですが、横山武騎手が『気性のカリカリしたところはありますが、これから体も増えてくるでしょう』と話していました。まだ気性も幼いようで食べたものが身になっていない印象ですが、年齢とともに改善されるでしょう。
グランアレグリアとはよく似た血統ですが、こちらもデビュー当時はそこまで大きい馬ではありませんでした。あの小ささでデビュー戦を圧勝したレフトゥバーズですから、成長次第では末恐ろしい馬になるかもしれませんよ」(競馬記者)
ともに東京マイルでデビューした2頭だが、共通点はこれだけではない。父ディープインパクトに、母父タピットという血統構成も同じなのだ。
グランアレグリアは2走前のスプリンターズS(G1)を504kgで出走。同レースを含め昨年はG1で4戦3勝と、パーフェクトに近い成績を残している。デビュー時が458kgだったことを思えば、約2年半の間に「46kg」も増加。レフトゥバーズにとっては、良きお手本といえそうだ。
横山武騎手のコメントからも成長の余地は十分。歴史的名牝へと進化する可能性も残されているだろう。
今年はG1制覇の期待がかかる横山武騎手だが、小さな馬体に託す夢は大きいはず。レフトゥバーズの馬名意味「残り物」に、“福がある”ことを期待したい。