JRA武豊ワグネリアンにダービー馬の「呪い」!? 京都記念(G2)キズナ、レイデオロも沈めた「73年」未勝利の絶望
歴史的な勝利を挙げることが出来るだろうか。
14日、阪神競馬場で開催される京都記念(G2)。昨年は優勝したクロノジェネシスが春秋グランプリを制覇、また過去の勝ち馬サトノクラウン、ラブリーデイも宝塚記念(G1)を制している。
今年は京都競馬場が改修工事中のため、京都ではなく阪神芝2200m条件で行われる。例年以上に同じ条件である春のグランプリと直結するレースになりそうだ。
昨年の宝塚記念で13着に惨敗したワグネリアン(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)は復活をかけて出走する。勝ち星から2年5か月遠ざかっている現状。かつて日本ダービー(G1)を制覇した輝きは失われつつある。
だが、京都記念は新しい一面を見せる可能性がありそうだ。前走後、喉鳴りの手術を行っており、今回7か月ぶりの実戦となる。宝塚記念の凡走の原因が喉にあるとすれば、十分に挽回に期待できるだろう。
また、鞍上には初コンビとなる武豊騎手を迎える。父ディープインパクトの主戦を務めたレジェンドがダービー馬の潜在能力を引き出すか注目が集まる。武豊騎手は13年の京都記念ではディープインパクト産駒のトーセンラーに乗り替わりで騎乗。見事に2年ぶりの勝利へ導いただけに、これは縁起のいいデータとなりそうだ。
しかし、京都記念はダービー馬にとって「鬼門」と呼べるレースでもある。
過去10年、京都記念に出走したダービー馬は以下の通り。
15年 キズナ 3着(2番人気)
16年 ワンアンドオンリー 6着(5番人気)
17年 マカヒキ 3着(1番人気)
18年 レイデオロ 3着(1番人気)
19年 マカヒキ 3着(2番人気)
1頭も勝つどころか2着にもおらず、すべて人気以下の着順に敗れている。さらに遡れば、ウオッカ、アグネスフライトも勝つことが出来ておらず、不思議なことにダービー馬と相性の悪いレースなのだ。
これまでに113回の歴史を誇る京都記念だが、ダービー馬の優勝は1948年のマツミドリただ1頭。73年もの間、多くの名馬が返り討ちに遭っているのだ。
第14回・日本ダービーを制したマツミドリは父にカブトヤマを持ち、史上初の親子2代制覇を達成。この功績を受けて、カブトヤマ記念(G3・現在廃止)が創設された。また、「ダービー馬はダービー馬から」という名言の由来ともされている。
引退後、種牡馬入りしたマツミドリだが、1953年に北海道で流行した馬伝染性貧血を患い、防疫上の観点から殺処分されるという非業の死を遂げた。
それ以降、1頭もダービー馬が京都記念を勝てないのはマツミドリの“呪い”かもしれない。
ディープインパクト産駒のワグネリアンはまさに「ダービー馬はダービー馬から」に当てはまる。ワグネリアンが京都記念を制して、この呪いを解くことが出来るだろうか。