【徹底考察】朝日杯FS(G1)ミスエルテ「怪物フランケル産駒の2歳頂点完全制圧なるか!ソウルスターリングと”真逆で唯一”の不安点とは…」
強いて欠点を挙げるとすれば、スピードが豊富「すぎる」こと。父フランケル自身もそうだが、母ミスエーニョはアメリカのAW1400mG1・デルマーデビュタントSの勝ち馬で、スピード>スタミナの血統背景。池江調教師も「とにかく引っ掛かる。使うたびに競馬が難しくなっている」と言っており、将来は短距離に矛先を向けそうだ。
怖いのはマイルへの延長でペースが極端に緩んだときだろう。前走のラップは最初1Fを除くと遅くても12秒フラットで、概ね短距離らしい締まった流れだった。朝日杯FSで中盤に息の入る流れになった場合、ペースの緩急に「引っ掛かる」気性が耐えられるかわからない。それを考えると、2戦目に距離短縮の道を選んだことが正しかったのかどうか。
同じフランケル産駒のソウルスターリングは、逆に距離短縮が課題の1つだったが、ミスエルテはまったく反対の課題を抱えている。そこさえ乗り切れば、フランケルが1年目にして両2歳G1ダブル制覇の栄誉に輝いてもまったく不思議はない。
(監修=下田照雄(栗東担当))