JRA武豊と初コンビ“千四巧者”ビッククインバイオを母が強力アシスト?復活狙うシャインガーネットとギルデッドミラーも虎視眈々【京都牝馬S(G3)展望】

 20日(土)には、阪神競馬場で第56回京都牝馬S(G3)が開催される。

 このレースが阪神コースで行われるのは1994年以来、実に27年ぶり。その前回は京都牝馬特別という名称で、武豊騎乗のノースフライトが優勝。2着に6馬身差の圧勝劇を演じ、その後の春秋マイルG1制覇への足掛かりとした。久々の阪神開催で、新たなヒロインは生まれるだろうか。

 1400mという距離と時期的にメンバー構成が手薄になりがちなこのレース。今年もその傾向は続きそうだ。実績面では見劣るが関西初見参のビッククインバイオ(牝4歳、美浦・牧光二厩舎)に注目したい。

 4勝のうち3勝が1400m戦という“千四巧者”で、しぶとい先行力が武器。鞍上はテン乗りの武騎手が務める。

 昨年11月に奥多摩S(3勝クラス)を勝ち、オープン入りを果たしたが、その後はターコイズS(G3)で5着、ニューイヤーS(L)は7着に敗れている。しかし、2歳時には新潟2歳S(G3)とアルテミスS(G3)で3着の実績があり、牝馬同士かつ得意の距離なら好勝負は必至だろう。

 また、母アニメイトバイオの後押しにも期待したい。アパパネ世代の母は、2歳時に阪神JF(G1)で2着、3歳時にはローズS(G2)を制した実力馬だった。阪神を得意とした母の血が騒げば、激走も十分あり得るだろう。

 昨年3月のファルコンS(G3)で牡馬相手に1400mの重賞を制したシャインガーネット(牝4歳、美浦・栗田徹厩舎)も見逃せない。

 昨春は桜花賞(G1)には向かわず、NHKマイルC(G1)で果敢に牡馬に挑戦するも、7着に敗れた。その後は疲労や筋肉痛などに見舞われ、復帰したのは12月のターコイズSだった。しかし、7か月ぶりの実戦で、道中折り合いを欠き、9着に敗れた。

 今回は叩き2戦目の上積みと1ハロン短縮による変わり身に期待がかかる。ファルコンSでラウダシオンを完封した実力を出すことができれば、重賞2勝目はおのずと見えてくる。

 昨年のNHKマイルCで3着に好走したギルデッドミラー(牝4歳、栗東・松永幹夫厩舎)も復活を狙う。

 NHKマイルCの後は、中京記念(G3)で51kgの軽量を味方に、古馬に交じって1番人気に支持されたが、0秒3差の6着に敗れた。さらに信越S(L)でも1番人気を裏切り12着に大敗。リゲルS(L)では3番人気で14着と昨夏以降はスランプに陥っている。

 ここも大敗するようなら、“早熟”というレッテルを貼られるのは不可避だろう。しかし、半兄のストロングタイタンとミラアイトーンが古馬になってからも活躍しており、見限るのは早計。特に父がオルフェーヴルの本馬なら、突如の激走があっても不思議はないだろう。

 このほかには、3年前に同コースのフィリーズレビュー(G2)を制したリバティハイツ(牝6歳、栗東・高野友和厩舎)、祖母が桜花賞馬のキョウエイマーチで条件戦2連勝中の上がり馬、リリーバレロ(牝6歳、美浦・堀宣行厩舎)という6歳馬2頭にも要注目だ。

 前走の淀短距離S(L)で2番人気に支持されるも、スタートで大きく出遅れ16着に惨敗したアイラブテーラー(牝5歳、栗東・河内洋厩舎)は、出遅れ癖さえなければ、重賞級の能力を持つ。スタートを決めれば上位争いに加わってくるはずだ。

 27年ぶりの阪神開催となった伝統の牝馬限定重賞で混戦を断つのは果たしてどの馬か。20日の15時35分に発走を迎える。

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