JRA川田将雅が「ルメール超え」の快進撃! 大出遅れの崖っぷちから完全復活…… トップジョッキーが見せた意地とプライド

 14日に阪神競馬場で開催された京都記念(G2)を、初騎乗ながら1番人気ラヴズオンリーユーで勝利を飾った。

 今年、川田将雅騎手の重賞勝利はオーヴェルニュの東海S(G2)、レッドルゼルの根岸S(G3)に続き早くも3勝目。京都記念の勝利でトップのC.ルメール騎手に並び、重賞の勝率では上回った。

 現在絶好調ともいえる川田騎手だが、低迷が続いた年始の開催はまだ記憶に新しい。

 トップクラスの馬質を確保しながら、人気を裏切る結果が続いて26連敗。リーディング争いで辛酸を舐めさせられ続けているルメール騎手の安定感とは真逆の大不振だった。例年はロケットスタートを決めた川田騎手を、徐々にルメール騎手が追い詰めて交わすというのが定番になりつつあったが、今年は逆に大きなビハインドを背負うこととなってしまった。

 川田騎手にとって大きく足を引っ張られる原因となったのは中京での成績が伸び悩んだことだ。前に行っては交わされ、後ろから行っては交わせないレースも目立ち、傾向が目まぐるしく変化するコースに戸惑いもあったのだろう。

 だが、そこは日本を代表するトップジョッキーだ。試行錯誤を繰り返した成果もあってか、苦手だった中京コースを克服。東京でも8鞍に騎乗して4勝の好成績を挙げると、2月の中京では大きく勝ち星を伸ばし、得意の阪神開催を迎えた。

 その勢いは止まることなく、2月の2週間の開催ではついにルメール騎手の勝ち数を凌ぐトップに躍り出た。それはまるで単勝1.9倍の断然人気に支持された15年の宝塚記念で歴史的な大出遅れを演じたゴールドシップが先頭でゴールを駆け抜けるような復活劇だったといえる。

「正直、あそこまでの酷い成績は川田騎手も予想していなかったと思います。実力のある騎手ですからいずれ帳尻は合わせてくると考えていましたが、予想以上に立て直しが早かったです。

勝てなかった中京を克服したことには、トップジョッキーの意地とプライドを垣間見た気がします。この調子なら今年の残りの中京開催では以前のようなことはないでしょう。完全復調しましたね」(競馬記者)

 上位から離されていた騎手リーディングも、先週の開催を終えて14勝の6位まで急浮上。宿敵ルメール騎手の29勝には及ばないが、15勝の6位戸崎圭太騎手や17勝の5位田辺裕信騎手は射程圏に捉えた。

 そして、3月には昨年のホープフルS(G1)を無敗で制したダノンザキッドが弥生賞(G2)、朝日杯FS(G1)を優勝したグレナディアガーズがファルコンS(G3)で始動を予定しているように手駒も揃っている。

 この調子で勝ち星を積み重ねていけば、再びルメール騎手とリーディング争いで一騎打ちとなる日もそう遠くはないかもしれない。

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