JRA三浦皇成「G1未勝利」に終止符を……ダイヤモンドS(G3)グロンディオーズ快勝に「珍・偉業達成」の絶好調厩舎と重なる思惑!?
20日、東京競馬場で行われたダイヤモンドS(G3)は、7番人気のグロンディオーズ(牡6歳、美浦・田村康仁厩舎)が優勝した。
田村厩舎はこの日、小倉1Rをマダムシュシュで勝利。東京2Rでは、3頭出しのレースで上位を独占する珍しい記録も成し遂げている。
■2月20日 東京競馬2Rの着順
1着 エストレラブレイン 2番人気 三浦皇成
2着 キングスハンド 9番人気 江田照男
3着 サイレントギフト 5番人気 石川裕紀
上記の3頭は全て田村厩舎の管理馬。グロンディオーズでも勝利した田村厩舎は、この日3勝の大暴れとなった。
そのダイヤモンドSは、16頭立ての芝3400m戦。ブラックマジックがハナを主張する形でレースはスタートした。
1番人気のオーソリティは、好スタートを切ったが控えて好位を追走。グロンディオーズは中団、それを見るように2番人気のポンデザールもこれに続き、長距離戦らしく一団の競馬となる。
長丁場ということもあり、2周目3コーナーまでは淡々とした流れ。残り1000mからペースは上がり始め、最後の直線に向かった。
好位2列目から手ごたえ十分に先頭に立ったオーソリティだが、外からグロンディオーズがジワジワと迫り、残り200mでは一騎打ちの様相。ゴール直前まで粘ったオーソリティが失速すると、最後はグロンディオーズがグイッと伸びて差し切り勝ちを収めた。
レース後、グロンディオーズに騎乗した三浦皇成騎手は「うれしいですね。距離はこなしてくれると信じて乗っていました。折り合いもついていいポジションで競馬ができましたし、直線に向くまで理想通りの展開になったと思います。瞬発力ではオーソリティの方が上なので一瞬離されてしまいましたけど、追いついてくれると信じて追っていました。重賞を獲ったからにはG1っていう目標も出てくると思います」とコメント。三浦騎手にとっても悲願となっている「G1」という言葉も口にした。
田村調教師は、グロンディオーズの勝利が今年の8勝目。調教師リーディングでもトップ10入りを果たしており、例年になく調子が良さそうだ。
「2018年の年間31勝が最高となっている田村厩舎ですが、今年はすでに8勝に到達と絶好調ですね。それだけいい馬も集まっているということでしょう。グロンディオーズはサンデーレーシングの所有馬ですが、田村厩舎が過去にG1を勝利したのも同じくサンデーレーシングのメジャーエンブレムでした。メジャーエンブレムの初仔であるプレミアエンブレムも今年3歳で、やはりクラシックを始めG1は意識するところでしょう。2016年以降G1勝ちがない田村厩舎にとっても、『G1制覇』という思いは三浦騎手と同じではないでしょうか」(競馬記者)
この日、田村厩舎の管理馬で2勝を手にした三浦騎手。このコンビでは昨年10月10日以降、5連対中と相性は抜群だ。
2016年以降G1勝利のない田村厩舎と、G1で94連敗中とデビュー以降いまだ勝利のない三浦騎手。両者の思惑は、もちろんグロンディオーズでの天皇賞・春(G1)制覇だろう。
昨年、一昨年と同レースを連覇したフィエールマンが引退した今、混沌とする長距離戦線。2人の思いが届くことに期待したい。