【徹底考察】朝日杯FS(G1)ダンビュライト「脅威の種付け数280!生産界が熱視線を送るルーラーシップ産駒初タイトルの課題は”父譲り”の…」
先行勢が4コーナーからサクセスムーンに競りかけ、直線入り口で早くも前が4頭横並びの展開。その一列後ろから馬場の外めに持ち出したダンビュライトは、馬なりで前を射程に入れると、残り300mでルメール騎手の合図に合わせてスパート。一旦は抜け出して先頭に躍り出た。
だが、すぐ後ろから柴田善臣騎手のブレスジャーニーが追い込み、多少抵抗を示したものの交わされて2着。最終的に1.1/4馬身の差を付けられた。末脚のキレが違ったという印象で、少なくとも前走に関しては完敗の内容だろう。
追い込みの利く馬場状態を考えると、より後方にポジションしていたブレスジャーニーが有利だったという見方もできる。だが、ダンビュライトも決して前に付けていたわけではないため、その言い分は少し苦しいか。
【血統診断】
父ルーラーシップは現役時代、国内G1タイトルにこそ恵まれなかったものの、香港の中距離G1クイーンエリザベス2世Cを含む重賞5勝。通算成績【8・2・4・6】の内、掲示板を外したのは3歳時の有馬記念と4歳時のドバイシーマクラシックの2回のみ(いずれも6着)という抜群の安定感を誇った。
際立った特徴は前脚を高くあげて地面に叩きつけんばかりの力強い走法で、やや重以上の馬場では5戦4勝(うち重賞2勝)のハイアベレージ。産駒にもその走法は受け継がれており、ダンビュライトも父と同じく、掻き込みの強い走りで不良馬場の新馬戦を楽勝している。
母の兄弟には06年のジャパンカップダート優勝馬アロンダイトや、クリソライト・マリアライトらの母クリソプレーズがおり、いずれもダートまたは力のいる芝で力を発揮する馬力タイプ。そのような血統背景を考えると、ダンビュライトも将来的にダート路線へ進む可能性がありそうだ。
【結論】
現時点で見えているダンビュライトの大きな課題は、”父譲り”とも言えるクビの高い走法。血統考察で「掻き込みの強い走り」という表現を使ったが、この走法の欠点はクビや頭の位置が高くなりがちで、横方向の推進力に欠け、直線の長いレースで伸び負けてしまいやすい。