JRAわずか「通算1勝」も……新人女性騎手を待ち受ける過酷な現実!「負のループ」を断ち切る唯一の希望はあの新ルール?

 それでは今春デビューする新人女性騎手も、1年目から活躍しなければ「短命」で終わってしまうのか……というと、実は僅かな希望がある。前述した彼女たちと、今春デビューする新人騎手の間には、大きなルール改定があったのだ。

 現状のルールでは、騎手免許取得から5年未満の騎手には、勝利数に応じて負担重量の減量が適用されるが、今までは男女差はなかった。しかし2019年3月から導入された新制度では、女性騎手は50勝以下で4キロ減、100勝までは3キロ減、免許取得後5年以上、または101勝以上でも2キロ減と、女性である限り永続的に減量対象として騎乗できるようになった。

 もちろん、減量特典だけでは好結果を残すことができないし、騎乗技術の向上なしでは、いい馬も回ってこないだろう。しかしこの新制度について、JRAは「(女性騎手の)騎乗機会を拡大するため」と明言しているだけに、それなりの騎乗依頼は見込めるはずだ。

 仮に1年目から活躍できなくても、女性である限りいつでも減量特典のある女性騎手は、騎手を選ぶ調教師にとって、馬主への説明もしやすいはず。いわば女性騎手にとってこの新ルールは、今後の騎手人生を大きく左右するルールでもあるのだ。

 一部では「菜七子ルール」と揶揄されるこの新ルールをいかせるかどうか。新人女性騎手たちの「生きる道」はこの点にかかっている。

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