JRA「目標はダービー」武豊ディープモンスターに池江泰寿軍団の法則!? 待望の「季節」到来に今週も大攻勢!
2月末の競馬開催は、定年などでターフを去る調教師たちのラストウィークとなる。今年も8人の調教師がトレーナー人生に幕を下ろすことになった。
そんな名調教師たちからバトンを受けて、今後の競馬界を牽引する現役トレーナーのなかでも、注目したい一人が池江泰寿調教師だ。
27・28日の開催では「池江軍団」9騎がスタンバイ。土曜日は「阪神芝3200m」のコースが話題の松籟(しょうらい)Sに、シロニイとシルヴァーソニックが登場。小倉の春麗ジャンプS(OP)ではフォイヤーヴェルクを出走させる。さらに日曜日の中山記念(G2)にはクラージュゲリエ、阪急杯(G3)にはジャンダルムを送り込むほか、すみれS(L)には、話題のディープモンスターが出走する。
過去5年の成績を調べると、実は池江厩舎は1年のなかでも、2月末から3月にかけて好成績を残している。
●池江泰寿厩舎2月最終週成績(2016−2020年)
47-23-27-146/243
2016年から20年までの累積成績をみると、勝率19.3%、連対率28.8%、複勝率は4割に迫る39.9%をマークしている。
また3月に限定すると、近5年の年別での月間成績は以下。毎年3勝以上をキープしているのだ。
●池江泰寿厩舎3月成績(2016−2020年)
20年3-5-3-21/32
19年4-2-3-19/28
18年3-5-6-19/33
17年7-3-3-18/31
16年4-0-5-15/24
ちなみに2004年の開業以来、2020年までの3月成績は「64-49-60-251/424」で、勝率15.1%、連対率26.7%、複勝率40.8%と、さすがの成績を残している。
なかでもクラシック路線へ向けて仕上げる3歳馬が強い。2017年には、2月末のアーリントンC(G3)をペルシアンナイトで制したほか、3月は毎日杯(G3)をアルアインで勝利。その後の皐月賞(G1)は、この2頭で「池江厩舎ワンツー」を決めたのは記憶に新しいところだ。
ほかにも、過去を遡れば管理馬オルフェーヴルは、2011年3月のスプリングS(G2)優勝後、一気にクラシック三冠制覇。なんとその年の有馬記念も制してしまった。
思い返せば、昨年3月のスプリングSもヴェルトライゼンデが2着しており、素質馬を地道に教育して、温かくなる時期に一気に開花させる……これこそ「池江軍団」が2月末から3月に好成績を残している秘密かもしれない。
そして今週開催のすみれSでも「池江軍団」は過去2勝をマーク。2018年にキタノコマンドール、19年サトノルークスで勝利している。
今回出走予定のディープモンスターにも、当然期待がかかる。「目標はダービー」と公言している池江泰寿調教師としても、力の入る一頭であることは間違いないだろう。
同馬の父・ディープインパクトを育て上げたのは、他ならぬ自身の父・池江泰郎氏。また、デビュー以来手綱をとる武豊騎手とは旧知の仲だ。保育園から小・中学校の同級生で、父が騎手から調教師になる家庭環境まで一緒だった。
少年時代から学校で競馬の話ばかりしていたという2人の「競馬オタク」の夢を乗せて、ディープモンスターはその名にふさわしい「怪物」のような走りをみせるか。
「父の管理したディープ産駒で、同級生の武豊と一緒に凱旋門賞を制したい」と語る池江泰寿調教師。壮大な夢の一歩となるかもしれないすみれSに注目したい。