JRA「最弱世代」が重賞独り勝ちで大逆襲!? 三冠馬コントレイル誕生も…… 不甲斐ない4歳世代にバトンタッチで汚名返上か
今年に入って5歳牡馬の快進撃が続いている。
先週の中山記念(G2)をヒシイグアスが制して、今年の重賞勝ちはこれで7勝目をマーク。4歳2勝、6歳2勝、7歳1勝の他世代を大きくリードした。
この世代は、とにかく牝馬の強さが際立っていた。
昨年の安田記念(G1)でアーモンドアイに完勝し、秋もスプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)を圧勝したグランアレグリアを筆頭に、宝塚記念(G1)、有馬記念(G1)を制して春秋グランプリ制覇を成し遂げたクロノジェネシス。今年の京都記念(G2)を優勝したラヴズオンリーユーなど、トップクラスの馬が揃っている。
これに対し、大きな期待を寄せられながらも、どこか拍子抜けする結果が続いていたのが牡馬だ。牝馬が強過ぎるが故に牡馬の不甲斐なさが目立つ。
ホープフルS(G1)優勝から直行で無敗の皐月賞馬に輝いたサートゥルナーリアは、三冠を期待されたほどの馬だった。しかし、単勝1.6倍の圧倒的支持を受けた日本ダービー(G1)を4着に敗れて無敗神話が崩壊。以降はG1レースで善戦まではあっても、再び勝利の栄冠を手にすることなく引退して種牡馬入りした。
また、ダービー馬ロジャーバローズは故障により志半ばで引退した。菊花賞馬ワールドプレミアも、体調不良で長期休養を強いられたこともあって以降はG1未勝利。アドマイヤマーズが香港マイル(G1)を勝利したくらいで、クラシックを牽引したダノンキングリーやヴェロックスも古馬となってからの成績は伸び悩んでいる。
世代トップクラスの馬でさえ、思うような結果を残せない現状に「最弱世代」の声すら囁かれていた5歳牡馬だが、ここへ来て猛反撃といえる活躍を見せ始めた。
■5歳牡馬の重賞勝ち
京都金杯(G3)ケイデンスコール
中山金杯(G3)ヒシイグアス
日経新春杯(G2)ショウリュウイクゾ
東海S(G2)オーヴェルニュ
根岸S(G3)レッドルゼル
東京新聞杯(G3)カラテ
中山記念(G2)ヒシイグアス
「全体的な顔触れから晩成タイプの馬の飛躍が顕著です。早い内から活躍していたのはケイデンスコールくらいで、他の馬は初重賞勝ちでした。4歳だった昨年はもうひとつ奮いませんでしたが、この勢いが続くようなら今年は大ブレイクするかもしれませんね」(競馬記者)