JRAグランアレグリア「有馬記念が東京2400mなら使う」藤沢和雄調教師「23年前」時代に泣いた最強の証明へ。「VSコントレイル」大阪杯(G1)挑戦から伝わる思い
前年に続きマイルCSを連覇し、マスコミから年末の有馬記念の出走を促された際は「有馬記念が東京の2400mなら使いますよ。(タイキ)シャトルは頭が良いから、中山の2500mだと1周目でゴールと勘違いしてしまう」と冗談半分で答えたが、もう半分はタイキシャトルの図抜けた能力を最も知る者としての意地だろう。
「世間的にはマイラーと言われていますが、2000mまでなら十分こなせたと思いますよ」というコメントも残しているが、当時の天皇賞は外国産馬の出走が認められておらず、それを証明する舞台がなかったのだ。
あれから23年。ラストシーズンを迎えた藤沢調教師が手掛ける最強マイラー・グランアレグリアは最大目標を天皇賞・秋に設定し、2017年にG1へ昇格した2000mの大阪杯に挑戦する。
タイキシャトル同様、これまで1600mまでしか走ったことがないが、誰もが「現役最強馬」と認める存在になるためには、今でも2000m以上で結果を出すことが求められる。
迎える相手は昨年の三冠馬コントレイルなど現役最強クラスだが、昨年逃した年度代表馬の座を狙うグランアレグリアにとっては、逆に好都合か。相手にとって不足なしといったところだろう。
「馬はスピードがなければいけないが、そのスピードで次のステージに行くことに価値があると思う」
『スポニチ』の単独インタビューにそう自身の理論を語った藤沢調教師。23年前に“最強”を証明できなかった名伯楽が、ラストシーズンで自らの信念を証明する。