JRAと『ウマ娘 プリティーダービー』のコラボ目前!? 楽天・田中将大だけじゃない「中毒者」続出の“イロモノ”ゲームが競馬ファンを虜にした理由
「開発期間が延長されリリースが遅れに遅れている間、2期に及ぶTVアニメを放送し、コミックやCDといった、様々なメディアミックスを展開したCygamesの手腕はさすがと言えますが、それ以上に開発陣が間違いなく『無類の競馬好き』であるということでしょう。
例えば、メインストーリーの第1章には主人公として名ステイヤーのメジロマックイーンが登場しますが、名門メジロ家期待の御令嬢であり、天皇賞を勝つことが至上命題となっている点など、背景は実際の競走馬と共通する点が多々。
また、ストーリー上でも天皇賞・春を連覇するだけでなく、天皇賞・秋での1着入線、最下位降着の悲劇が描かれたり、宝塚記念で同門のメジロライアンに敗れた際などには『大外を回らされたせいでライアンに敗れた』というセリフを口にしたり、『お婆様に連絡』などメジロ牧場の元会長・北野ミヤさんを連想させるような言い回しをしたりと、本当に細かいところまで作り込まれています。
それらのクオリティも、数々のヒットゲームを手掛けるCygamesだけに言わずもがな。単純に競馬にまつわるアニメ作品としても楽しめますし、否定的だった競馬ファンの大多数を唸らせるだけの作品に仕上がっていると思いますね」(競馬誌ライター)
前述した通り、リリース発表時には競走馬のアイドル化に否定的な競馬ファンも多かったようだが、そんな硬派な猛者たちを黙らせるどころか、逆に夢中にさせる魅力が『ウマ娘 プリティーダービー』の最大の勝因の一つと言えるだろう。
また、ゲーム性においてもKONAMIが誇る野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』で大人気の「サクセス」を彷彿とさせるものがあるという。
「様々な練習やイベント、試合を乗り越えて1人のオリジナル選手を育てて行くのがパワプロ(実況パワフルプロ野球)のサクセスの面白みですが、『ウマ娘』はそういった育成ゲームの良いところを強く踏襲しているところがあります。
練習に付き合う仲間(サポートカード)がいて、それらと練習を繰り返すことで友情タッグトレーニングのような効果抜群の練習ができたり、ポイントを貯めて新たなスキルを覚えたり……さすがにレースは見守ることしかできませんが、パワプロファンはまず間違いなく『ウマ娘』にもハマるだけの完成度はあると思いますよ」(同)
また、この『ウマ娘』に早くもハマっているプロ野球選手がいる。今シーズン楽天に移籍し、日本球界に復帰した田中将大投手だ。
過去には有馬記念のプレゼンターを務め、今年1月には『netkeiba.com』で福永祐一騎手と松山弘平騎手との対談が掲載されるなど、かなりの競馬好きで知られている田中投手。1日には自身の公式Twitterで自らが育てた『ウマ娘』ダイワスカーレットとサイレンススズカを公開。「今の限界っす…」と投稿するほど楽しんでいるようだ。
よく恋愛では「第一印象が悪い方が恋愛関係に発展しやすい」などと言われているが、多くの競馬ファンを虜にした『ウマ娘』のリリース発表からサービス開始までの3年間は、まさにその“典型”といえるのかもしれない。
この勢いなら、過去にガンダム、進撃の巨人、FGO(Fate/Grand Order)とコラボするなど、“雑食”として知られるJRAとのタイアップイベントはもう目前だろう。果たして、ゲームが先かリアルが先か……はたまた同時か。
競馬に新たな可能性をもたらした『ウマ娘』の勢いは止まりそうにない。