JRA藤田菜七子「新人騎手」に抜かれるのも時間の問題!? 今年わずか3勝の大ピンチ……。桜花賞(G1)権利取りで見せたい先輩の意地
先週、3場開催で行われた中央競馬では、未来を担う新人騎手がデビュー。5年ぶりにJRA所属の女性騎手が誕生するなど注目度の高い世代でもあるが、初日から大活躍を遂げている。
阪神1Rのメイショウホタルビで小沢大仁騎手が勝利を挙げると、これに負けじと永野猛蔵騎手も中山3Rのタマモヒップホップで優勝。2人の新人騎手が関東、関西でそれぞれ「初騎乗初勝利」を達成した。
小沢騎手に限っては最終レースでも勝利し、初日から2勝。西谷凜騎手や松本大輝騎手も人気薄を馬券圏内に持ってくるなど、各場で大暴れしている。
一方、全く冴えないのが今年6年目の藤田菜七子騎手だ。
デビューから3年目にはコパノキッキング(セ6歳、栗東・村山明厩舎)でカペラS(G3)を勝利し、女性騎手としては異例ともいえる活躍を見せた藤田騎手。4年目の2019年には自身の最多記録を更新する年間43勝を挙げた。
しかし、昨年は年間35勝と成績が低迷。デビュー以来、初めて前の年を下回り勢いにも陰りが見え始めている。
先月20日、自身が遠征中のサウジアラビアで行われたリヤドダートスプリントでは、主戦を務めるコパノキッキングが乗り替わったW.ビュイック騎手の手綱で勝利。このレースを見終えた藤田騎手は「(海外遠征中に)日本馬がいるのが初めての経験。いつか私も日本馬と海外のレースに出たいなと思いましたし、憧れのようなものを抱きました」とコメントしたが、初騎乗ながら一発回答を出したビュイック騎手の勝利に心中穏やかではなかっただろう。
今年は古川奈穂騎手、永島まなみ騎手と新たに女性ジョッキーのライバル2人もデビューし、ますます騎乗馬の争奪戦が激化する可能性も……。このままでは、新人騎手に抜かれるのも時間の問題かもしれない。
そんな藤田騎手に希望の光を与えるのが、14日に中山競馬場で行われるアネモネS(L)へ出走を予定しているレッジャードロ(牝3歳、美浦・戸田博文厩舎)だ。
2着までに桜花賞(G1)の優先出走権が与えられるトライアルレース。藤田騎手としても、ここは何とか結果を出したいところだろう。
レッジャードロは、前走で気の悪さを見せシンガリ負けを喫したが、デビュー戦は最後方からの大外一気で快勝。レース後、藤田騎手も「抜けて物見をしていたくらいで、まだ余裕がありました。うまく乗れませんでしたが、今日は能力の高さで勝たせてもらいました」と話したように、ポテンシャルは底知れない。
前走、東京の1600mで惨敗を喫したレッジャードロだが、今回のアネモネSはデビュー戦を快勝した中山が舞台。今年は未だ3勝と不振の続く藤田騎手だが、ここでの勝利とともに再び「菜七子フィーバー」を巻き起こすことに期待したい。