JRA横山典弘オパールムーン「ポツン不発」で桜花賞(G1)出走危機!? 権利取り失敗でいよいよ危険水域に…… 関東のベテランを襲ったさらなる悲劇とは
14日、阪神競馬場で行われたフィリーズレビュー(G2)は、3着以内に入れば桜花賞の優先出走権を得られる桜花賞トライアル。桜の舞台を夢見て18頭の乙女たちによって争われた。
優勝したのは和田竜二騎手の8番人気シゲルピンクルビー。2つ上の半姉であるシゲルピンクダイヤの主戦も務める和田騎手だけに、妹との呼吸もピッタリ。九州産馬の星ヨカヨカとの叩き合いを制し、2年前の姉に続く桜花賞の出走を確定させた。
その一方、1番人気オパールムーン(牝3、栗東・昆貢厩舎)は9着。横山典弘騎手とのコンビで桜花賞の権利取りに挑んだが、厳しい結果となった。
大外8枠16番からスタートしたオパールムーン。ポールネイロンとフリードの激しいハナ争いを尻目に横山典騎手はパートナーのリズムを優先した。1頭ポツンと最後方からの追走となったが、前半3Fは33秒7のハイペースで流れた。
馬場に違いがあったにしろ、メイケイエールの2着に好走した昨年のファンタジーS(G3)の34秒1を上回る前半ラップは、追い込む競馬で結果を残しているオパールムーンにとって悪くない展開だったはずだ。
だが、最後の直線に入って満を持してのゴーサインが出されたものの、これまで見せた伸びがない。最速となる34秒5 の切れを見せたとはいえ、レースの上がり3Fは35秒5。18番手の最後方から追い上げたことを考えると、不発に終わったといえるだろう。
「後ろから行ったにしても負け過ぎ。俺のなかではよく頑張ったと思う」
横山典騎手はそう振り返ったが、現在賞金1000万のオパールムーン陣営にとって権利を取れなかったのは痛恨。賞金的にもボーダーライン付近のため、桜花賞出走はいよいよ危険水域に近づいてきた。
「ハイペースで流れたこともあり、後ろからの競馬だけが敗因とは言い切れません。近走、同じように後方から33秒台の末脚を繰り出していたオパールムーンだけに34秒5は物足りない印象です。
横山典騎手の『負け過ぎ』というコメントも、オパールムーンが本来の力を発揮できていれば勝ち負けになったという思いもあったのでしょう。もう少し前で競馬をしていたら好走できたのかというと疑問が残ります」(競馬記者)
また、横山典騎手の不運はこれだけで終わらなかった。
最終レースで4番人気ダンケシェーンに騎乗したものの、ゲートが開いてすぐに落馬。皮肉にも、このレースの勝ち馬オーロラテソーロの遥か前でゴール板を駆け抜けたのは、空馬となったパートナーだったのである。
落馬がなければ勝ち負けの期待も持てただけに、横山典騎手にとっては権利取りに失敗したオパールムーンに続いてWの悲劇となってしまった。