JRAレジェンド武豊も1年目に陥ったスランプ!? 初勝利ラッシュの新人騎手、残された未勝利組も焦りは禁物?
ルーキーズの初勝利に沸いた先週の開催。
13日は藤田菜七子騎手以来5年ぶりに誕生した女性騎手の古川奈穂騎手と松本大輝騎手の2人が初勝利をマーク。14日は、もうひとりの女性ジョッキー永島まなみ騎手も、12戦目で嬉しい初勝利を挙げた。これで今年3月デビューした8人のうち、5人が待望の初白星を掴み取ったことになる。
一方で、未だ初白星を掴めないルーキーズもいる。横山琉人騎手は8鞍西谷凛騎手は9鞍に騎乗して勝利なし。また角田大和騎手は、22鞍のチャンスがあったものの、3着6回で未勝利。今のところ、同期の女性騎手らに後れを取っている。
未勝利組3人の心中を察すれば、当然ながら悔しさでいっぱいだろう。例えばデビュー6年目の菊沢一樹騎手は、同期の藤田騎手らに大きく差をつけられた通算94戦目で初勝利を挙げた。当時は「正直言って、焦りはあった」とコメントしている。
しかし、前途有望なルーキーズとはいえ、焦りは禁物である。今年のJRAリーディング上位を争う先輩騎手たちも、決して順風満帆の1年目を過ごしたわけではなく、苦難の時を過ごしたジョッキーも多くいたのだ。
なかでもデビュー20年目、関東リーディング首位を走る田辺裕信騎手の初勝利は、なんと63戦目と“難産”だった。同じく関東の吉田隼人騎手も、初勝利はデビュー戦から48戦目と、同期のなかでも初勝利を達成した日は遅かった。
さらに今年デビュー33年目を迎えた関東のベテラン・田中勝春騎手も、苦難の末に初白星を掴んだうちのひとりだ。初騎乗は1989年3月4日の中京2レースで6着。待望の初勝利を挙げたのは、同期の佐藤哲三、角田晃一らに大きく遅れをとる同年10月21日の東京競馬場だった。
実は勝春騎手の場合、デビュー戦を終えた後にストレス性のバセドウ病を患い、半年間休養していたという過去がある。
競馬学校を卒業して、「社会人デビュー」を果たした当時。当然ながら、生活面は大きく変化し、慣れない生活を強いられた結果、ホルモンバランスが崩れたという。通算1700勝以上を挙げている関東のベテラン騎手も、ルーキーイヤーは相当な苦労を経験。勝春騎手の例からも、新人騎手にのしかかるプレッシャーは、並大抵ではないことがわかる。
そして今さら説明不要のレジェンド・武豊騎手も例外ではない。去る3月15日に52歳の誕生日を迎えたスーパージョッキーの1年目も、波乱万丈のシーズンだった。