JRA阪神大賞典(G2)大本命アリストテレス&昨年の覇者ユーキャンスマイルだけでは不安⁉ 6連覇へ大挙8頭を送り込む「ノーザンファームの動向」
21日、阪神競馬場で行われる阪神大賞典(G2)には13頭がエントリー、その内8頭がノーザンファームの生産馬だ。
それこそ毎週のように重賞レースを生産馬が勝ち、名実ともに「日本最強生産牧場」として君臨するノーザンファームだが、今回の阪神大賞典には並々ならぬ意欲が感じられるような気がしてならない。
それと言うのも目下、ノーザンファームは阪神大賞典を5連覇中。今年も「コントレイルを脅かした馬」として、天皇賞・春(G1)の最右翼と目されるⅭ.ルメール騎手のアリストテレス(牡4、栗東・音無秀考厩舎)、阪神大賞典通算8勝を誇る武豊騎手を再度鞍上に迎えた「昨年の覇者」ユーキャンスマイル(牡6、栗東・友道康夫厩舎)と、この大駒2頭だけでも6連覇は盤石とも思われる中、さらに6頭をゲートインさせるのだ。
歴史的に見ても、阪神大賞典は現役最強と目される馬が勝利を飾る事が非常に多いレースである。過去の勝ち馬であるメジロマックイーン、ナリタブライアン、マヤノトップガン、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、ゴールドシップなどといった面々は大流行のスマホゲーム『ウマ娘プリティーダービー』(Cygames)にステージを変え、令和の時代になった今でも最強の座を争っているくらいだ。
中でもノーザンファーム勢を相手に強烈な印象を植え付けたのは「芦毛の金船」ゴールドシップではなかろうか。気分が乗らないと途轍もない沈み方をすることもある大船だったが、2013年から15年にかけて3連覇を成し遂げた姿はまさしく「阪神大賞典の不沈艦」だった。
そんなゴールドシップがターフを去った16年以降は、阪神大賞典5連覇中のノーザンファーム。6連覇へ、今年は特に攻勢をかけている印象だ。
昨年は牡牝共に三冠レースを全て取りこぼすという、生産界の絶対王者にとっては不測の事態が起きた。現4歳世代に関しては、非ノーザンファームの牡馬コントレイル、牝馬デアリングタクトが最強馬ということが大方の見方になっている。
5歳以上の世代にはグランアレグリア、クロノジェネシスという誰もが認める横綱がいるとはいえ、アーモンドアイとフィエールマンが抜けた今年は、現4歳世代から中長距離戦線における「新たなスター」が誕生してほしいところだろう。
今回の阪神大賞典はアリストテレスにおいて勝利必達の課題となるが、あくまで「競馬に絶対はない」。来たる天皇賞・春(G1)へ、ユーキャンスマイルら数多くのタレント候補を送り込みたいところだろう。
果してノーザンファームが阪神大賞典に送り出す8頭は「新たなスター候補」として、天皇賞・春の主役に躍り出るのだろうか。生産界の絶対王者の動向に要注目だ。