JRA【フラワーⅭ(G3)回顧】「メジロの血」ホウオウイクセル快勝! 小柄なニューヒロインの誕生が牝馬クラシック戦線を盛り上げる!
20日、中山競馬場で行われたフラワーⅭ(G3)は丸田恭介騎手の5番人気ホウオウイクセル(牝3、美浦・高柳瑞樹厩舎)が優勝。1馬身1/4差の2着争いは接戦となったが、岩田望来騎手の2番人気エンスージアズム(牝3、栗東・安田翔伍厩舎)が入り、1番人気に推された丹内祐次騎手のユーバーレーベン(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)は3着に敗れた。良馬場の勝ちタイムは1:49.2秒。
当日の馬体重はホウオウイクセルが414kg、エンスージアズムが416kg。出走馬の中で最も小柄な馬と2番目に小柄な馬によるワンツーフィニッシュである。
絶好のスタートを決めたホウオウイクセルは、外枠から飛ばすアビッグチアを見ながら内目の経済コースを3~4番手で進んでいく。1000m通過は1:01.8秒のスローペースと願ってもない展開。絶好の手応えで4コーナーを回り、直線半ばで逃げるアビッグチアを捕えて抜け出すと、そのまま後続に影も踏ませずゴール。開業12年目の高柳師と共に嬉しい初重賞制覇を飾った。
丸田騎手はレース後、「馬は変わらず良い感じでした。少しテンションは高かったです。枠、馬場の感じから、ある程度の位置を取りたいと思っていましたから、絶好のポジションでしたし、あれを狙っていました。終始手応えも良かったです。続けて乗せてもらい、チャンスを与えてもらえることがありがたいですし、上手に競馬ができる強みを生かして、この後も頑張っていきたいと思います」とコメントを残している。
デビュー戦からコンビを組む丸田騎手も、1月のフェアリーS(G3)でファインルージュの2着と敗れた鬱憤を晴らすような好騎乗。気になるのは「次はどこへ向かうか?」である。
まず、ホウオウイクセルは父ルーラーシップ、母メジロオードリー(母の父スペシャルウィーク)という血統。泣く子も黙る「メジロの血」を内包しているが、興味深いのはそれだけに留まらない。
ルーラーシップはキングカメハメハとエアグルーヴの息子であり、メジロオードリーはスペシャルウィークとメジロドーベルの娘。つまり祖父母は共にダービー馬とオークス馬の仔という「激レア配合」なのだ。
となれば、やはりオークス(G1)が最大目標のように考えられなくもないが、高柳師は「馬の体調、オーナーの意向で桜花賞(G1)を使うかどうかを考える事になります」と桜花賞参戦にも含みを持たせている。
フェアリーSでは確かな末脚を、フラワーⅭでは抜群の機動力を見せ、牝馬クラシック戦線に名乗りを挙げた「小柄なニューヒロイン」の活躍に期待したい。