JRA川田将雅「重賞4連敗」でリベンジ狙う高松宮記念に暗雲!? ダノンザキッド、グレナディアガーズに続き、またも1番人気で裏切り……
21日、中山競馬場で行われた皐月賞トライアル・スプリングS(G2)は、池添謙一騎手の3番人気ヴィクティファルスが優勝。アサマノイタズラとの叩き合いをアタマ差で制し、来月18日の皐月賞(G1)に向けて存在感をアピールした。
その一方で、優先出走権が与えられる3着はクリアしたものの、惜しくも敗れたのが川田将雅騎手の1番人気ボーデン(牡3、美浦・木村哲也厩舎)だ。
「この馬に向かない馬場でもここまで頑張ってくれて、能力の高さを示してくれました。今日はこの馬場が得意な馬に有利に働きました」
そう川田騎手が振り返った通り、ボーデンが高いポテンシャルを持っていることに疑いはないが、この日の中山は生憎の重馬場だった。
開幕週の馬場だったとはいえ、ボーデンは1月30日に東京競馬場で行われた芝1800mの未勝利戦を1分45秒2の好時計勝ち。2着に6馬身差をつける圧勝を飾った馬だけに、雨で渋った馬場に持ち味であるスピードが殺された格好ともなった。
また、2歳王者ダノンザキッドでの皐月賞が濃厚な川田騎手が、あえて中山に遠征してまで手綱を執ったことでもボーデンに対する期待の大きさは伝わる。だが、本番となる皐月賞では鞍上問題も出てきそうだ。
ただ、ボーデンの敗因に力のいる重馬場が無関係といえなかったとはいえ、川田騎手がもう一つ波に乗れていないことは気になる材料である。
前日の土曜は中京競馬場のファルコンS(G3)に、こちらも2歳G1を勝ったグレナディアガーズとのコンビで挑んだがルークズネストの2着に惜敗し、単勝1.8倍の圧倒的支持を裏切ったばかり。土日の重賞でいずれも1番人気馬に騎乗しての敗戦となった。
気が付けば川田騎手は重賞で4連敗。弥生賞(G2)をダノンザキッドで3着、金鯱賞(G2)をグローリーヴェイズで4着、ファルコンSをグレナディアガーズで2着、そしてスプリングSをボーデンで3着と勝ち切れないレースが続いている。
そこで気になるのは、28日に中京競馬場で行われる春のスプリントG1高松宮記念だ。
川田騎手はこのレースでダノンスマッシュとコンビを組むと見られているが、3番人気に推された昨年は10着に敗退。秋のスプリンターズS(G1)でも2着に敗れた同馬を悲願のG1初優勝へと導いたのは、香港スプリントのR.ムーア騎手だった。ダノンスマッシュは師である安田隆行調教師の管理馬。自身がG1を勝てなかった馬で初騎乗の相手に勝たれ、川田騎手も期するところはあるだろう。
だが、波に乗りたかった重賞で人気を下回る敗戦が続いてしまったことは、昨年のリベンジを狙うコンビにとって決していい流れとはいえなさそうだ。