【徹底考察】有馬記念(G1)ゴールドアクター「マツリダゴッホ以来の中山非根幹専用機!グランプリ連覇には「人馬の絆」が必要不可欠!?」
昨年の有馬記念でスターダムへと駆け上がった名優は、再び暮れの中山を銀幕に変えることができるだろうか。
ゴールドアクターにとって2016年は試練の年だった。5歳を迎えた年明け初戦の日経賞では、有馬以来の3ヶ月ぶり、最重量の58キロという厳しい条件ながら、先行して粘るサウンズオブアースをゴール前で差し切って優勝。万全の態勢で上半期の大目標ともいえる天皇賞(春)を迎えた…はずだった。
だが肝心の本番は、GWの変則的な輸送がたたり、レース前からテンションが高くなりすぎるアクシデント。おまけに8枠発走から終始馬群の外めを回らされるロスが尾を引き、直線半ばで失速。生涯初の惨敗を喫する結果となってしまう。
大事を取った陣営は、宝塚記念をパスして夏は放牧に費やし、秋の飛躍に向けて英気を養った。その成果が出たのか、休養明けのオールカマーはまたしても数々の不利な条件を跳ね返して快勝。復権は近いかに思えた。
しかし前走ジャパンCでも、単勝4.5倍の3番人気に推されながら4着。惨敗というほど悪い内容ではなかったものの、春と同じくキタサンブラックの後塵を拝することとなったのである。
天皇賞(春)、ジャパンCとG1の舞台で続けて苦杯を舐めたゴールドアクター。「去年の有馬はフロックだった」「もう終わったんじゃない」という声もネットで囁かれるなか、今年最後にして最大のチャンスである有馬記念を迎える。
前述の通り、中山の2200m、2500mに限った成績は5戦4勝オール連対とパーフェクト。かつて「中山非根幹の鬼」として名を馳せたマツリダゴッホに勝るとも劣らない成績だ。今年のゴールドアクターは大舞台でイマイチ弾けなかったが、暮れのグランプリではその鬱憤を晴らす可能性があるはず。まずは前走を詳しく振り返り、敗因を洗い直したい。
【前走考察】
オールカマーでマリアライトやサトノノブレスら骨っぽい面々を一蹴し、意気揚々と迎えたジャパンC。レースは序盤、キタサンブラックが好スタートからペースを握って隊列を引っ張る一方、ゴールドアクター自身は内枠を利してインの3番手を確保し、ラチ沿いで脚を溜める競馬に徹した。
道中はキタサンブラックが後続を3馬身ほど離しながら坦々とラップを刻み、そのままコーナーを回って直線へ。ゴールドアクターを含む好位勢は徐々に差を詰めながら、虎視眈々と前を捉えに掛かった。