JRA【ニュージーランドT(G2)展望】M.デムーロ×タイムトゥヘヴンVS C.ルメール×アヴェラーレ「初マイル」で激突!大物感漂うレイパパレ半弟にも魅力あり!
桜花賞(G1)の前日、10日には中山競馬場でニュージーランドT(G2)が行われる。フルゲート16頭に対し、20頭を超える馬が登録を予定しているが、絶対的な存在はおらず、混戦模様となりそうだ。
実績面ではタイムトゥヘヴン(牡3歳、美浦・戸田博文厩舎)が頭一つ抜けている。M.デムーロ騎手とコンビを組んだ2走前の京成杯(G3)は逃げてグラティアスの2着に粘り込んだ。しかし、三浦皇成騎手が騎乗した前走の弥生賞(G2)では、先行して6着。今回は一気に距離を2ハロン短縮して、マイル路線に矛先を変えてきた。
血統的にはこれがプラスに出る可能性は高い。父は稀代の短距離王ロードカナロア、そして母は桜花賞馬のキストゥヘヴンだ。母は3歳3月に未勝利勝ちを収めると、3連勝で戴冠。能力を一気に開花させたのがまさにこの時期だった。
その血を受け継ぐタイムトゥヘヴンがここを勝てば、NHKマイルC(G1)でも面白い存在になり得るだろう。鞍上が京成杯2着時のデムーロ騎手に戻るのもプラス。全国リーディング20位(3月28日現在)と勝ち鞍は伸びていないが、3日のダービー卿CT(G3)で久々に重賞を制覇。一度勢いに乗ると止まらないタイプだけに、2週連続で大仕事をやってのける可能性も十分考えられる。
アヴェラーレ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)は、タイムトゥヘヴンと同じく初めてのマイル戦でNHKマイルCの権利獲りを狙う。
5戦1勝のタイムトゥヘヴンに対し、アヴェラーレはデビューから無傷の2連勝とまだ底を見せていない。1400mからの距離延長となるが、母のアルビアーノは現役時代にフラワーC(G3)とスワンS(G2)を勝利。NHKマイルCでも2着とマイル前後で活躍した。1ハロン延長もこなしてくれるだろう。
母は500kgを超える大型馬だったが、初仔のアヴェラーレは420kg台とかなり小ぶり。中山の急坂を克服し、デビュー3連勝で母が果たせなかったG1獲りに向かいたい。
鞍上は引き続きC.ルメール騎手が騎乗する。前走後、「上のクラスでも通用します。重賞級の馬です。マイルでも大丈夫そうです」と力強く語っており、昇級初戦でも楽しみな存在だ。
キャリア1戦ながら、大物感漂うサトノブラーヴ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)にも注目だ。
2月の未勝利戦で経験馬に交じってデビューすると、後方3番手から直線で13頭をごぼう抜き。上がり33秒5という圧巻の末脚で見事な差し切り勝ちを収めた。
騎乗予定の石橋脩騎手が、昨年ルフトシュトロームでこのレースを制覇しているのも心強い。除外もしくは抽選の可能性はあるが、出走が叶えば上位人気は間違いないだろう。半姉レイパパレ、半兄シャイニングレイという血統背景からも、いずれ上のクラスを賑わす存在だ。
この他には、朝日杯FS(G1)4着、シンザン記念(G3)3着と一線級相手の好走歴が光るバスラットレオン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)。重賞は初挑戦となるが、1勝クラスで2、3、1着と相手なりに走るタイプのスパークル(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)。ダートでデビュー2連勝を飾ったワーズワース(牡3歳、栗東・清水久詞厩舎)も虎視眈々。
なお、ククナ(牝3歳、美浦・栗田徹厩舎)とブルーバード(牝3歳、美浦・高橋祥泰厩舎)の2頭は桜花賞で抽選対象となっており、除外された場合に出走を予定している。
デムーロ、ルメールの両外国人騎手が有力馬に騎乗し、激突する注目の一戦は、10日15時45分に発走を予定している。