JRA ソダシが呼び起こす「伝説の美少女」の記憶、桜花賞(G1)を5連勝で駆け抜けたレジェンドとの共通点とは……
11日、阪神競馬場では第81回桜花賞(G1)が行われる。注目は何といっても4連勝中の白毛馬ソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だろう。
デビューから無傷の4連勝で阪神JF(G1)を制し、白毛馬として初めてのG1制覇の夢を叶えた。今回は4か月ぶりの実戦となるが、「白毛馬のクラシック制覇が見たい」と願う多くのファンの存在もあって、1番人気が濃厚だ。
その真っ白な馬体とともに特徴的なのが、その馬名。ソダシとはサンスクリット語で「純粋、輝き」を意味するが、その由来通り、その純白の馬体はデビューから緑のターフ上で美しく輝いてきた。
もう一つ特徴的なのは馬名が3文字という点だ。近年ではキズナ(13年日本ダービー)やキセキ(17年菊花賞)などがクラシックを制覇しているが、数自体はそれほど多くない。
これまで80回を数える桜花賞では、過去に1頭だけ3文字の馬名を持つ馬が優勝したことがある。それが、1970年の桜花賞を制したタマミだ。
ソダシとタマミは馬名が3文字という以外にも幾つかの共通点を持つ。ソダシは桜花賞を勝てば、5連勝での戴冠。一方のタマミは、2歳時はスランプもあって7戦2勝という冴えない成績だったが、本格化した2歳12月からは勝利を重ね、5連勝で桜花賞制覇を遂げた。
そして2頭の最大の共通点はその美しさだ。ご存じの通り、ソダシはその真っ白な馬体が多くのファンの心を引きつけてきた。51年前のタマミもまたその美しさで名を馳せた。
毛色はサラブレッドで最も多いとされる鹿毛だったが、色合いは栃栗毛に近く、額にあった大きな白斑が際立っていた。また、その白斑から鼻面にかけて流星が伸び、「目千両」と評されたキレイな瞳も相まって、「美少女」と呼ばれ人気を博した。
ソダシと共通するのはその美しさに加え実力も伴っていたことだ。桜花賞を制した後も、快速逃げ馬として活躍。桜花賞以後、引退までに重賞級レースを合計2勝した。牡馬も顔負けの類まれなるスピードを武器に、才色兼備のタマミは世の男性ファンを虜にしたといわれている。
「年代的にタマミの現役時代を知るファンはそう多くないでしょう。半ば伝説と化していますが、競馬評論家の井崎脩五郎さんもかつて『最も美しい馬』としてタマミの名前を挙げたとか。写真を見たこともありますが、確かに『美少女』でした(笑)」(競馬誌ライター)
ソダシはタマミと同じく5連勝で桜花賞馬の栄冠をつかむことはできるのか。51年の時を経て、美少女伝説が幕を開ける。