JRA C.ルメール「レイパパレの法則」でノーマークから一転、侮れない惑星が誕生!? 桜花賞(G1)サトノレイナス騎乗も「逃がした魚」は大きいか
11日、牝馬クラシック第1弾となる桜花賞(G1)が、阪神競馬場で行われる。
昨年は松山弘平騎手の2番人気デアリングタクトが、ゴール前で粘るレシステンシアを差し切って優勝。続くオークス(G1)、秋華賞(G1)をも制して史上初となる無敗の牝馬三冠を成し遂げた。
今年の出走馬で無敗の馬はソダシただ1頭。話題の白毛馬は2年連続の無敗三冠馬の誕生にも期待が懸かる。
また、白毛ではないものの、デビューから破竹の6連勝で無敗のG1制覇を遂げたのが先週の大阪杯(G1)を圧勝したレイパパレだ。コントレイル、グランアレグリア、サリオスといったトップクラスの強敵相手に4馬身以上の差をつけて勝利したことは記憶に新しい。
レイパパレは昨年の秋華賞(G1)に登録していたが、収得賞金不足により抽選対象となり、6分の4のチャンスを手に入れることができなかった。そのため、同日の大原S(3勝クラス)に回ったが、ノーステッキの2馬身差で楽勝した。
芝1800mで開催された大原Sの勝ち時計1分46秒3は、直後に行われた秋華賞の1800m通過タイム1分48秒5を2秒2も上回った。三冠牝馬デアリングタクトとの直接対決は実現していないとはいえ、レイパパレを「幻の秋華賞馬」と評する声が出たのも無理はない。
当時はまだ「タラレバ」の域を出ていなかったこの評価が、現実味を帯びることになったのが大阪杯の快勝となる訳だが、実はこの勝利をある意味予言していたのは、2番人気グランアレグリアに騎乗していたC.ルメール騎手だった。
ルメール騎手はレイパパレの制した大原Sで2着に敗れたサトノウィザードに騎乗。その後のTwitterで「G1レベル」の相手だったと勝ち馬の強さに太鼓判を押していたのである。抽選を突破していれば、秋華賞ではルメール騎手の騎乗が決定していた馬だけに、ライバル・川田将雅騎手とのコンビでG1を勝たれたのは運命のイタズラといえる。
奇しくもレイパパレがG1級の能力の持ち主と見抜いたルメール騎手の眼力は立派だが、これは桜花賞に出走するファインルージュ(牝3、美浦・木村哲也厩舎)にも当てはまるかもしれない。
なぜならファインルージュが快勝した前走のフェアリーS(G3)で手綱を執ったルメール騎手だったが、レース後に「G1レベルにいけそうな馬だと思います」と評価していたからだ。
レイパパレが大阪杯を圧勝したことで「G1レベル」と評した同馬が、ルメール騎手の見る目の正しさを証明したなら、ファインルージュももしかしたらということもあり得なくはない。
今回、ファインルージュとコンビを組むのは福永祐一騎手。『netkeiba.com』の想定オッズでは8日現在、単勝2.8倍で2番人気のサトノレイナスに対し、単勝33.4倍の9番人気ファインルージュはノーマークに近い惑星の評価。とはいえ、同馬の能力を知るルメール騎手としては気になる相手ではないだろうか。
レイパパレ同様逃がした魚は大きかったなんてことにならなければいいのだが……。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
好きな馬はミホノブルボン。馬券は単複派。人気薄の逃げ馬で穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で叫びたい。