JRA【アーリントンC(G3)展望】モーリス産駒ピクシーナイト勝てば“G1制覇”100%!? ミッキーアイル産駒の大物は「3連勝」でNHKマイルC(G1)権利獲りへ
17日、阪神競馬場では第30回アーリントンC(G3)が行われる。今年もNHKマイルC(G1)への優先出走権が与えられる3枚の切符を巡る激しい争いとなりそうだ。
実績面で頭一つ抜けているのは、1月のシンザン記念(G3)を制したピクシーナイト(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。前走は福永祐一騎手の好判断で逃げの手を打つと、前半から軽快なラップを刻み、父モーリスに重賞初制覇をプレゼントした。
過去29回のアーリントンCにおいて、前走シンザン記念組は「5-4-4-15」と好成績を残している。そのシンザン記念で1着だった場合は「2-0-0-5」。シンザン記念とアーリントンCを2連勝した馬は、過去に02年タニノギムレットと14年ミッキーアイルだけ。どちらもその後、G1制覇を遂げている。
当時と開催時期は違うが、3歳マイル重賞2連勝は実力がないとなかなかできない。前走で2着に下したルークズネストは、ファルコンS(G3)で2歳マイル王のグレナディアガーズを破っており、シンザン記念のレースレベルの高さも折り紙付きだ。
NHKマイルCを見据えた仕上げで臨むとみられるが、あっさり勝つようなことがあれば、本番でも堂々の主役候補となるだろう。
そのピクシーナイトに挑戦状を叩きつけるのは、父がミッキーアイルのショウリュウレーヴ(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)だ。
新馬戦こそ4着に敗れたが、未勝利戦、そして1勝クラスを連勝して、今回が重賞初挑戦。初のマイル戦となるが、マイルG1・2勝の父の血に加え、母ショウリュウムーンはチューリップ賞など1600~1800mの重賞を3勝した実力馬だった。また、半兄のショウリュウイクゾは今年の日経新春杯(G2)を勝っており、距離延長は全く心配ないだろう。
前走は4か月ぶりの実戦で、パフォーマンスを上げていたのも強調材料。団野大成騎手はレース後「使ってさらに良くなりそう」とコメンしている通り、ひと叩きされた効果により3連勝で重賞制覇も夢ではない。
川田将雅騎手が騎乗予定のホウオウアマゾン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、大敗からの巻き返しを図る。
前走の朝日杯FS(G1)では4戦2勝、2着2回という安定感ある戦績もあって3番人気に支持された。しかし、道中いつもの手応えがなく、勝ったグレナディアガーズから0秒7差の9着に敗れた。それまでは逃げ・先行競馬でも速い上がりを駆使する強い内容だった。しかし、前走は道中6番手といつもの位置を取れず、直線でも弾けることはなかった。
デビューから半年間で5戦と、やや使い詰めだったことも影響したか。一息入れ、4か月ぶりの実戦で、成長したところを見せることはできるか。