JRAに“令和のナイスネイチャ”が爆誕!? キズナ産駒8戦連続3着で「2000万分の1」珍記録達成も……複勝コロガシは「大失敗」??
11日、阪神競馬場の5Rで非常に珍しい記録が生まれた。ダート1800mを舞台に行われた4歳以上1勝クラスの一戦を制したのは、C.ルメール騎手が騎乗したジローだった。2番手追走から直線抜け出すと、後方から追い込んだマジックスピーチの追撃をしのぎ切った。
このレースで道中最後方から直線大外を猛追し、3着に食い込んだのがレッドレビン(牡4歳、栗東・昆貢厩舎)だった。走っているクラスからもわかる通り、これまで挙げた勝利は昨年5月の1勝だけ。キャリア17戦目で待望の2勝目を狙ったが、惜しくも叶わなかった。
レッドレビンは、この敗戦で通算成績を「1-2-9-5」としたが、やはり目に付くのは3着の多さだろう。しかも、3着9回のうち8回を昨年12月からこの日までの8戦で記録している。つまり、レッドレビンは現在8戦連続3着という稀に見る安定感を発揮していることになる。
過去8戦の出走頭数から計算した確率は、何と約2000万分の1というから驚きだ。
「8戦連続で同じ着順というのは、グランドスラムを達成した2000年のテイエムオペラオーくらいしかパッと思いつきません。その時は2月の京都記念から年末の有馬記念まで重賞を8連勝しました。ただ、強い馬が8連勝するのと、今回のように3着が8回続くのは確率的に意味合いが違うと思います。基本的には全ての馬が1着を目指す中で、8戦連続3着というのは奇跡としか言いようがありませんね。
1990年代に重賞路線で活躍したナイスネイチャという馬は、有馬記念(G1)で3年連続3着という珍記録を作り、競馬界のブロンズコレクターと言われました。しかし、そのナイスネイチャも連続3着は2回が最高でしたからね。1勝クラスの身ですが、レッドレビンがさらに記録を伸ばすようなら、『令和のナイスネイチャ』を襲名するかもしれません(笑)」(競馬誌ライター)
その堅実さと勝ち味の遅さから、この日のレッドレビンは単勝4番人気に対し、複勝は3番人気。やはり複勝の方が圧倒的に売れていた。もし“3着街道”が始まった8戦前に複勝に1万円を投じ、前走まで複勝のコロガシ馬券を買っていたとすれば、前走で20万円を超える配当を得ていた計算になる。
今回も堅実なレッドレビンに期待して、複勝を買っていたファンも少なくなかったはず。レッドレビンは“予想通り”3着に食い込んだのだが……。残念ながら、複勝馬券は紙くずとなってしまった。
「今日の阪神5Rは7頭立てだったため、複勝は2着までの払い戻しでした」(同)
やはり競馬は難しい……。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。