JRA C.ルメール「7週連続」重賞勝ちなしの大スランプ……。桜花賞(G1)サトノレイナス明暗分けた直線の攻防、「32秒9」豪脚披露も女王ソダシに連敗
11日、阪神競馬場で行われた桜花賞(G1)は、吉田隼人騎手の2番人気ソダシが優勝した。デビューから無敗の連勝を5に伸ばすとともに、白毛初となるG1馬の栄誉を手に入れた。
その一方、あと一歩で大魚を逃がしてしまったのは、クビ差の2着に敗れたC.ルメール騎手のサトノレイナス(牝3、美浦・国枝栄厩舎)だ。前走の阪神JF(G1)ではソダシとあわや同着かというハナ差の2着。ファンも2歳女王を追い詰めた走りを評価して1番人気に支持したが、またしても2歳女王の軍門に降ってしまった。
「18番枠は厳しかったかもしれません。この馬としてはいい競馬をしてくれました。仕方がない。オークスに行きましょう」
ルメール騎手が枠順を敗因として挙げたように、2枠4番から完璧なレースをしたソダシと大外枠のサトノレイナスで明暗が分かれる結果となった。
フルゲート18頭立ての芝1600m戦。好スタートを決めたソダシを制してストゥーティ、ジネストラが引っ張る展開は600m通過34秒1の平均よりやや速めのペース。2頭を先に行かせたソダシはインの3番手で前に壁を作る絶好のポジション。サトノレイナスは出遅れたこともあって、後方2番手の位置から苦しい競馬を強いられた。
前半600mを過ぎた辺りで、折り合いに難を見せたメイケイエールが外から捲くるような格好で先頭を奪う。だが、吉田隼騎手は動じることなく強気な競馬で好位をキープ。最後の直線入り口で早めに仕掛けられたソダシが残り200mで先頭に躍り出る。
ロスのない競馬でセーフティリードを取るソダシに対し、サトノレイナスは直掩でもまだ16番手の後方。メンバー最速の上がり3F32秒9の脚で猛然と追い上げたものの、ソダシをクビ差まで追い詰めたところで無情にもゴールとなった。
「スタートで出遅れたのは阪神JFでも同様ですが、あのときは中団からの競馬。今回はさすがに後ろから行き過ぎだったのではないかという印象があります。外々を回る不利を避けて、ロスのない競馬を試みたルメール騎手ですが、勝負どころとなった最後の直線でスムーズな進路が取れませんでした。
クビ差の敗戦だけにあそこで追い出しを待たされたのは痛恨でしたね。ゴール前の脚色は完全に勝ち馬を上回っていただけに、直線では思い切って大外に出せば、もう少し際どかったかもしれませんね」(競馬記者)
勿論、無敗で桜の女王に輝いたソダシはパートナーの力を信じた吉田隼騎手の立派だが、サトノレイナスに騎乗したルメール騎手の不調もそろそろ気になるタイミングである。
土曜のニュージーランドT(G2)、桜花賞と敗れたルメール騎手はこれで重賞13連敗。2月のフェブラリーS(G1)をカフェファラオで制して以降、7週連続で勝利から遠ざかっている。
好調なときには手が付けられない手綱捌きを披露するルメール騎手としては、物足りない結果が続く現状はもどかしい限り。アドマイヤハダルと新コンビが決定した来週の皐月賞(G1)で連敗ストップとなるだろうか。