JRA ソダシ、サトノレイナスとグランアレグリア、デアリングタクトの共通点。今年の桜花賞(G1)も「上位6着」まで独占……王道の不要説を証明?
11日、阪神競馬場で開催された牝馬クラシック第1弾・桜花賞(G1)は、吉田隼人騎手の2番人気ソダシ(牝3、栗東・須貝尚介厩舎)が勝利した。無敗の桜花賞制覇は昨年のデアリングタクトに続いての快挙。このまま快進撃が続けば2年連続の無敗牝馬三冠も見えて来る。
2歳女王から桜の女王へ……。
もはや白毛という枠にとどまらない名馬が誕生した瞬間だった。ゴール前で猛追したサトノレイナスを退けたソダシ。最後の直線でスムーズさを欠いたライバルに対し、吉田隼騎手のパートナへの絶大な信頼も光ったレースだった。
雨中の開催で時計の掛かった先週とは正反対ともいえる高速馬場となった阪神競馬場。桜花賞と同じ芝1600mで行われた土曜のメイン・阪神牝馬S(G2)では1分32秒0の好タイムも出ていたように時計の速い決着も目立った。
「これだけ高速馬場だったので、ちょっと分が悪いかなと思った」
血統的にもダートで活躍したブチコを母に持つソダシは、吉田隼騎手が懸念したように、時計勝負に対して一抹の不安があったことは間違いないだろう。
だが、戦前のそんな不安もソダシにとっては「余計なお世話」といわんばかりの1分31秒9でレコード勝ちを披露し、穴党の「淡い期待」を粉砕してみせた。
その一方で、クビ差の2着に惜敗したサトノレイナスもまた、ソダシと同様に昨年12月の阪神JF(G1)からの直行だったことは見逃せない。トライアルレースのチューリップ賞(G2)、フィリーズレビュー(G2)、アネモネS(L)をはじめ、他重賞から現れた新星たちの挑戦を跳ね返した。
近年は調教技術の進化もあって、必ずしも本番前の「ひと叩き」が正解とは限らなくなっている背景もある。
牡馬は2019年のサートゥルナーリア、昨年のコントレイルが前年のホープフルS(G1)を勝利して直行で皐月賞を制覇。同じく牝馬も19年にグランアレグリアが前年の朝日杯FS(G1)3着から直行で桜花賞を優勝と、トライアルを挟まない馬が結果を残している。