オルフェーヴルの全弟リヤンドファミユの種牡馬入りを目指すクラウドファンディングが話題に。総額260万円超が集まるも、プロジェクト成功には兄の活躍が必須条件?
「インターネットを通じて種牡馬を誕生させる」という、過去に前例のない一大事業が着々と進められている。
3冠馬オルフェーヴルを兄に持つリヤンドファミユの種牡馬入りプロジェクトが、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」上で進行中だ。12月末時点でパトロン数は110人以上。支援総額は260万円超を数える。目標金額は1000万円以上なので到達するかどうかは未知数だが、すでにそれだけの資金が蓄積されているというだけで驚きである。
以前、12月1日に楽天主催のサラブレッドオークションにリヤンドファミユが出品されて話題となった。オークションページによると、100万円からスタートして最終的に4,070,000円(税込 4,395,600円)という値段で落札されている。その後は地方競馬で出走する噂もあったのだが、どうやら落札者は現役続行の道を選ばず、これまでにない新しいプロジェクトを始動させたようだ。
プロジェクトの協賛馬主の一人である山上和良氏はサイト上で「本馬は大きな骨折で、能力を出し切れずに現役生活を終えました。たらればを語っても意味はありませんが、少なくとも本来の能力が、競走成績と一致しないであろうことは、疑いようがありません」とし、プロジェクト発端の経緯や未来の展望などを語っている。
確かにリヤンドファミユは可能性を秘めた馬だった。デビュー3戦目で出世レースの若駒Sに出走すると、のちの重賞馬メイケイペガスターやマイネルクロップらを相手に華々しく勝利。偉大な兄を持つ血統背景もあって将来を嘱望された。だがその後、激しい気性と脚部不安に悩まされ成績は低迷。今年の早春Sで勝ち星を挙げてオープンクラスまで出世したものの、以降は冴えないレースが続き、登録抹消の運びとなっていた。
同馬の種牡馬入りが叶うならば、確かに成功を収める可能性はあるだろう。自身はG2勝ちまでの成績しかなかったブラックタイドが、弟ディープインパクトの影響を受けて種牡馬入りし、G13勝のキタサンブラックを輩出して大成功を収めたように、過去に同様の成功事例は存在している。オルフェーヴルの活躍次第では代替種牡馬としての需要も見込めるので、ビジネスとして成立する素地はあると言っていい。