JRA 武豊「強力アシスト」も川田将雅に暗雲!? 皐月賞(G1)ダノンザキッド惨敗の先に待ち受ける更なる不安
4月に入り残り1週を残すところだが、すでに12勝と勢いに乗る川田将雅騎手。全国リーディングでも2位につけており、勝率はトップのC.ルメール騎手を上回る25.4%と4回に1回は勝利を手にしている。
先週はアーリントンC(G3)を勝利し、自身初の4週連続重賞勝利を挙げた。今年は重賞で既に9勝を挙げており、2位タイのルメール騎手、横山武史騎手の4勝にダブルスコアをつける好調ぶりだ。
1月にオーヴェルニュで東海S(G2)、レッドルゼルで根岸S(G3)とダート重賞を2勝し、2月には京都記念(G2)のラヴズオンリーユーで今年初の芝重賞制覇。3月にも重賞で3勝した川田騎手は、今月に入っても既に3勝を挙げている。
■川田騎手2021年の重賞制覇
東海S(G2)オーヴェルニュ
根岸S(G3)レッドルゼル
京都記念(G2)ラヴズオンリーユー
チューリップ賞(G2)エリザベスタワー
毎日杯(G3)シャフリヤール
高松宮記念(G1)ダノンスマッシュ
大阪杯(G1)レイパパレ
阪神牝馬S(G2)デゼル
アーリントンC(G3)ホウオウアマゾン
絶好調の川田騎手だが、これらの勝利は単に調子だけの問題でもないのかもしれない。
というのも、勝利した9頭中7頭は他騎手から乗り替わっての戴冠。お手馬といえる馬は少なく、代打的意味合いも強いからだ。
「今年の重賞9勝の内、根岸Sのレッドルゼルと大阪杯のレイパパレ以外は、全て乗り替わりによる勝利です。ダノンスマッシュの場合は香港スプリント(G1)の後なので戻ってきただけといえそうですが、リーディング上位の騎手でもありますから有力馬の代打騎乗が上手く回ってきていたという感も否めません」(競馬記者)
現に乗り替わりとなった7頭の人気内訳は、1番人気3頭、2番人気3頭、3番人気1頭と、全てが人気サイドの馬。これらの騎乗がなくなるようなら成績の急降下も免れない。
「阪神牝馬Sのデゼルは武豊騎手で出走する予定でしたが、武騎手が骨折により騎乗を断念。先週のホウオウアマゾンにしても近3走連続で松山弘平騎手が手綱を執っていましたが、香港で行われるクイーンエリザベス2世カップ(G1)でデアリングタクト騎乗のため、川田騎手に依頼が来たといえるでしょう。
毎日杯を勝利したシャフリヤールにしても、一部報道で日本ダービー(G1)は福永騎手が騎乗するといわれています。福永騎手は毎日杯でルペルカーリアに騎乗していましたが、これは先約があったからと考えられていますし、賞金的にも日本ダービーは厳しいでしょう。皐月賞(G1)はレッドベルオーブに騎乗して8着と、距離不安があるため、参戦は不鮮明です。そうなると、元々お手馬であるシャフリヤールに騎乗するのも当然の流れといえるかもしれませんね」(同)
川田騎手は今週のフローラS(G2)でも、武豊騎手から乗り替わったデゼルの全妹オヌールに騎乗予定。「鬼の居ぬ間に洗濯」ではないが、今のうちに勝利を積み上げておきたいところだろう。
一方、先週の皐月賞では自身のお手馬ダノンザキッドで15着と惨敗した川田騎手。5月には武豊騎手、松山騎手ともJRAでの復帰が予想されるだけに、先行き不安な結果となってしまった。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。