JRA古川奈穂、永島まなみ活躍の中、新人「唯一の0勝」3世ジョッキーの大苦戦。「僕が新人賞を、父が障害リーディングを」騎乗停止中の父に朗報を
今年3月にデビューした8人の新人騎手たち。競馬の世界に「社会人」として身を置いてから、約2ヶ月が経とうとしている。
5年ぶりに誕生した新人女性ジョッキーをはじめ例年以上に話題を集めている8人だが、1人だけ白星をつかむことができていないのが、西谷凛騎手だ。
ここまで49鞍に騎乗。2着3回、3着2回と、馬券に絡んだことはあるものの勝利はなし。今春デビューした37期生のなかでは唯一の“未勝利”騎手となっている。
親子3代でJRAジョッキーとして注目を浴びる西谷凛騎手。父は障害レースで活躍する西谷誠騎手で、さらに祖父も元騎手という競馬一家で育った。10日、デビュー25戦目で待望の初勝利を挙げた同期の横山琉人騎手は「同期のみんなが勝っているなか、勝つことができなかったので、初勝利を挙げることができて良かった」とコメント。
この発言からも、西谷凛騎手の現在の心境を察することができるだろう。
そんな37期生のなかでは、ふたりの女性騎手も健闘中。古川奈穂騎手は、デビュー12戦目で初白星を挙げた週から4週連続勝利を達成。新人騎手の初勝利からでは、1996年の福永祐一騎手に並ぶ史上2位タイの記録を樹立した。現在まで挙げた6勝は同期トップの成績。知名度だけでなく、白星の数も同期のなかで一歩リードしている。
もうひとりの新人女性騎手・永島まなみ騎手も負けていない。17日には、先輩女性騎手の藤田菜七子騎手と古川奈騎手との3人で、JRA史上初となる女性騎手のワンツースリーを決めて、歴史にその名を刻んだ。
ここまで48鞍でわずか1勝も、古川奈騎手と対象的なのは騎乗馬の「人気」の差だ。実は永島騎手はデビュー後、3番人気以上の馬に乗ったことがない。対して古川奈騎手は64鞍のうち、3番人気以上に推された馬には10鞍も騎乗。騎乗数の約15%を1〜3番人気が占めるなど、ルーキー騎手としては異例の抜擢を受けている。
先に記した、1〜3着を女性騎手が独占したレースで3着入線を果たした永島騎手。3番人気で勝利した古川奈騎手と対象的に、8番人気の馬で馬券圏内に食い込んだ。3月14日のデビュー12戦目の初勝利も、4番人気で記録した永島騎手。3番人気以上に推される日も近いはずだ。
一方の男性陣も負けず劣らず、粒ぞろいの奮闘をみせている。